snow white〜第６章〜(inoo kei)

白雪姫は誰のもの？ 01 ページ10

・





知念が正式に“白雪姫のお客様”となってから
何日か過ぎました

その間、宣言通りに知念は姫を独占しまくり
ずーっと二人は一緒です

で、その事に不満タラタラなのはもちろん…




「んっ、にゃー！！
もう六日もいのちゃんに触ってなーい！！」




叫んだ王子を
高木くんと裕翔くんが
気の毒そうに眺めています


なんせ王子は新婚さんなのです

なのに新妻と離ればなれ…
いや、近くにいるのに
抱きしめることもできないとか
どんな苦行でしょうか




「さわりたいちゅーしたいっ
ぎゅーってしたいクンクンしたーい！！」

「ひ、光くん…
気持ちはわかるけど落ち着いて…」

「落ち着けるわけないだろー！！
あぁういのちゃああんっ！」




通常、夫がここまでなれば
妻なら気づくものでしょう

ましてや新婚なら
新妻だって夫と過ごしたいはずです


けれど相手は白雪姫

姫からしたら
知念も王子も“大好きなひと”としては
同列ですから
特に感慨はありません

と言うか
たぶん王子とふれあって無いことにすら
気付いてない可能性濃厚です




「そもそも高木が悪いっ！
昼間はともかく何で夜まで
知念と一緒でいいなんて言ったの！！」

「え…あ、それはその…」

「俺はそのせいでもうずーっとっ
一人で寂しく寝てるんだぞー！！」

「う…
ご、ごめん光くん…」




実は
プチ台風のように知念が訪れたあの日

高木くんはさりげなく
知念から耳打ちされました


“いのちゃん、目の下くまあるね”


え？と思って見てみると
輝くような艶肌の姫ですが
どことなく疲れぎみに感じられました



“ま、まぁ…
確かに初夜以来通いつめてるから…”

“やっぱり…ひかの気持ちもわかるけど
ちょっとは休ませてあげないと
いのちゃん可哀想じゃない？”

“それはそう…だよな…”

“ん。じゃあ
僕がいのちゃんと寝るから
ひかの説得よろしくね”




なにぃ！？とは思いましたが
知念の言うことも一理ありました

毎晩毎晩
イくまでどころかシオ吹くまで攻められて
白雪姫はクタクタなはず

今夜一晩くらいは…






・

02→←なかがき

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す