snow white〜第６章〜(inoo kei)

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「王よ、落ち着かれませ。
姫ぎみの結婚を取り止めなさるとは
如何様なお心ですか？」



口を開けてるだけだと話が進みません

ので、大臣のひとりが
王さまに問いかけます




「姫の此度の縁談は国益にも繋がりまする。
それを無かったことになど
賢王たる貴方様のお言葉とは思えません。」

「さようでございます。
確かにこちらに内諾無く婚姻を進めたのは
あちらの手落ちではありましようが…」

「ええ、確かに確かに。
ですがそれも姫を想うがゆえとすれば
許さぬ訳には行きますまい。」





続けて他の大臣たちからも諌められますが
王さまは聞き入れません




「ふざけるな！
俺の許しもなく結婚なんざ許せるか！
使者を出さないと言うならもういい！」




俺が行く！
と、部屋を出ていこうとする王さまを
大臣一同必死に止めます

なんの前触れもなく他国へ向かうなど
そんなことさせられません




「王！お気を確かに！
まずはその箱の中をお確かめください！」


「んなもん見なくていい！
とにかく伊野尾を一刻も早くっ…！」


「その姫さまからのお手紙が
箱の中に入っております！どうか！」


「………なんだと？」





豪華絢爛、繊細な彫刻を施された
いかにも高価そうなそれの蓋を
王さまは
叩き壊さんばかりの勢いで開けました

中には純白のあの花嫁衣装と
姫の手で書かれたと思われる
一通の手紙が入っています






とおさまへ



かあさまのご病気はよくなりましたか？
とおさまはお元気ですか？

俺はいま、ひかるのお嫁さんになって
ひかるのお城に住んでます

みんな優しくてご飯も美味しくて
とっても楽しいです


今度、披露宴ってのをすることになりました

披露宴って言うのは
結婚式よりもっといっぱいの人に
おめでとうを言ってもらう
大事なパーティーなんだって

だからとおさまにも
おめでとうをしに来てもらいたいです

王さまのお仕事が忙しいかもだけど
かあさまとふたりで
俺とひかるに会いに来てください


待ってます






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