snow white〜第６章〜(inoo kei)

突然の来訪者 01 ページ2

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王子と白雪姫が結婚式を挙げてから
１ヶ月ほどの月日が経ちました

その間、高木くんの作戦通り
吟遊詩人たちは美しい物語を謳い
それは国内のみならず
近隣の国へも広がり始めています


この調子なら
そろそろ姫のふるさとであるかの国へも
物語は届いているだろう

あと半月様子を見て
問題無さそうなら招待状を送るか…


そう、高木くんが考えていた
ある日の朝のことです





「いのちゃん、あ〜ん♡」

「あ〜ん、んっ、おいしっ！」



ひとつきの間に日課となった
姫と王子の食事の時間

たっぷり愛し合った翌朝
二人はイチャイチャしまくりながら
朝ごはんを食べています




「ねぇひかる、次これ食べたい！」

「はいはいトマトね。
いのちゃんはほーんと、トマト好きだね、」

「だって美味しいんだもん！
あとお米も好きだよっ。」

「イチゴもだよねー？
春になったらイチゴ狩りに行こうか。」

「イチゴ狩り？
うんっ！いくいくー！」



自分の膝の上で
ピョコピョコ跳ねる姫が可愛くて
王子の顔は緩みっぱなし

そしてもちろん
高木くんと裕翔くんの顔も
だらしないぐらい蕩けています



「姫はイチゴが好きなのか。
そしたら城の庭に
イチゴ用の温室を作るのもいいかもな。」

「温室？
イチゴたっくさんとれるの？」

「うん。あと田んぼだね。
そしたら来年の秋には
美味しいお米もたくさんとれるよ。」

「うわぁい！
高木、裕翔、ありがとう！」




その提案はとっても素敵に聞こえますが
お城の庭に温室はともかく
田んぼはどうでしょうか

洗練された王宮の庭に
突然広がる田園風景


………シュールです




「じゃあ高木。
今週中に法案通しちゃうから
予算計上の準備しといてね。」

「了解。
あとはイチゴと米の品種だな。」

「それなら知り合いに詳しい人いるから
近いうちに相談しておくよ。」




想像するだにシュールな光景は
どうやら本物になりそうです

いっそ笑えるぐらい
三人は姫に甘々のデロデロなのでした





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