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「チェッ、しょーがない。いままでのことはいーや。」
えっ?
驚いてるあたしの前に、幼馴染みの手のひらが差し出される。
「小5ん時から好きでした。俺と、付き合ってください。」
やだ…そんな…
「え?まさかめーわくとか言う?」
「そんなことないよ…でも…」
「でも、なんだよ。お前だって俺のこと嫌いじゃないし、ほかに好きな奴もいないだろ?」
「どーして決めつけるのよ…」
「だって他の男いたら、毎日毎日一緒に登校しないよ。それこそ、誤解されちゃうじゃん。」
「そうだけど…でも…」
もじもじしてたら、大きな手があたしの手首を捕まえた。
それからぐいって引き寄せられる。
「えっと…あの…?」
抱きしめられてドキドキ。
小さいな、って思ってたのに、意外と広い胸。
「………こんなしても、逃げないじゃん。」
「え?」
「これ、俺じゃないやつにされたらどう?」
「えっ?」
そ、それはイヤ。
どんなに仲が良くたって、他の男の子にこんなこと…
「な?だから俺だろ?」
「………うん。」
幼馴染みの男の子が、初恋のひと。
そんなのありきたり過ぎて恥ずかしいと思ってたけど、もぉいーや。
「じゃあ今日から、俺ら恋人な。」
ニッコリ笑ったお日さまみたいな金色の笑顔に、あたしの胸はキュンとなる。
「それにしても、イチョウ並木に感謝しないとな。」
「どうして?」
「だってギンナン踏んづけてなかったら、俺たち今ごろまだ誤解しあってるまんまだろ?」
「そ、そっか。そうだね。」
うふふ、って笑いあって、それからゆっくり顔が近づいた。
「明日も迎えに行くから、ちょっとは早起きしといて。」
「えと…どうして?」
「そりゃあ…恋人とガッコ行くのに、毎朝ダッシュしたくないから。」
う…すいません…
「あと、そろそろ目ぇつむって…」
聞いたこともないくらい甘い声でささやかれて、顔が熱くなっていく。
恥ずかしいけど嬉しい。
「大好きだよ、A…」
うん、あたしも大好き。
“ありきたり過ぎて恥ずかしい”とか、意地はって見ないフリしてたホントの気持ち。
気づかせてくれてありがとね。
イチョウ並木さん。
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おしまい
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マリナ(プロフ) - ぶっきらぼうでも不器用でも実は彼女の事大好きな薮くんの感じがもう最高で鼻血出ます!リアルに想像できるらなさんの天才すぎる物語が大好きです! (2019年10月25日 4時) (レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
Nayu(プロフ) - 初らなさんがsnow whiteな私です。ここ数日で色々ならなさんのお話にどっぷりハマってます。個人的にはMyDiamondの高木さんが尊い…です。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: dde7df5103 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - らなさんのお話久しぶりに読んでとてもキュンキュンしました!! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 2fc616a0db (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» ありがとうございます。今回は伊野尾くんにそっくりないとこ、ってことで、普段ならしない言葉を使ったりする慧にぃを書けて楽しかったです。また次も楽しんでもらえるといいな、です。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました!凄く良かったです(^^)この2人のその後の話しも是非読みたいと思いました(^-^)特にベッドドンの所がキュンとしました(^^)また楽しみにお話し待っています(^-^) (2019年10月13日 15時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時:2019年6月18日 19時