茶色の踵とコロンの香り(2017.11.5 caravelにて初出) ページ21
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すっかり秋も深まった、11月のはじめ。
凍えるほどじゃないけれど、ストーブ無しではいられない朝。
「おーい！いい加減にしろよ！遅刻するだろー！」
「わかってるようっさいなぁ！あと少しだから待ってて！」
玄関で吠えてるのはあたしの幼馴染み。
高校生になってもぜんぜん大人っぽくなくて、背も小さい。
でも元気で可愛いってんで女子からも男子からも人気ものだから、そこはちょっと自慢できるかな。
「Aったら…もう少し女の子らしくしたら？」
前髪の角度が気に入らなくて鏡とブラシを駆使して戦ってたあたしに、半分呆れた顔でお弁当を届けてくれたのは大好きなママ。
「そんなんじゃいつまでも伝えられないわよ？狙ってるコ、多いんでしょ？」
「そっ、そんなんじゃないよ！ママったら何言ってんの！？」
ママのこと大好きだけど、近ごろよく言われるこの言葉は嫌い。
小さい頃からずーっと一緒の男のコのこと好きになるなんて、ありきたり過ぎて恥ずかしいよ。
「またまたぁ。ママに似て可愛いんだから、自信持って頑張りなさい。」
「だから違うって！あたしはアイツのことなんか…！」
「はいはい、わかったからほら、急いで。」
肩を叩かれて廊下に出ると、幼馴染みはイライラしながら玄関で仁王立ち。
スニーカーの爪先が小刻みに動いてる。
「おっせーよ！もうギリだぞっ！」
「走ればまだ余裕でしょっ！男の癖してごちゃごちゃうるさいっ！」
「お前が言わせてるんだろー！そんな言うと明日っから迎え来ないからなっ！」
「なによっ！そんな事したらノート写さしてあげないからねっ！」
「くっ、この…俺より成績いいからってイバるな！」
「ホントのこと言われたからって怒鳴んないでよ！ほらっ、早く行かないと遅刻しちゃう！」
「あっ！ちょい待てって！」
靴を履いて走り出そうとすると、鞄を持ってた手がふっと軽くなる。
あわてて振り向いたら、幼馴染みがフンッて顎をあげた。
「お前走るの遅いのに、こんなん持ってたらマジ遅刻だろ。俺が持ってってやるから全力ダッシュな。」
「失礼ね！遅くないわよ！」
「俺よりは遅いだろ。行くぞっ。」
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ﾏﾘﾅ(プロフ) - ぶっきらぼうでも不器用でも実は彼女の事大好きな薮くんの感じがもう最高で鼻血出ます！リアルに想像できるらなさんの天才すぎる物語が大好きです！ (2019年10月25日 4時) (
レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
Nayu(プロフ) - 初らなさんがsnow whiteな私です。ここ数日で色々ならなさんのお話にどっぷりハマってます。個人的にはMyDiamondの高木さんが尊い…です。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: dde7df5103 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - らなさんのお話久しぶりに読んでとてもキュンキュンしました！！ (2019年10月14日 0時) (レス) id: 2fc616a0db (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» ありがとうございます。今回は伊野尾くんにそっくりないとこ、ってことで、普段ならしない言葉を使ったりする慧にぃを書けて楽しかったです。また次も楽しんでもらえるといいな、です。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました！凄く良かったです(^^)この２人のその後の話しも是非読みたいと思いました(^-^)特にベッドドンの所がキュンとしました(^^)また楽しみにお話し待っています(^-^) (2019年10月13日 15時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時：2019年6月18日 19時
