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「……しょーがないから許してあげる。」
あたしが言うと、慧の瞳がパッと輝く。
これまでショボくれてたのはいったいだれですかー?ってくらい、嬉しそうな笑顔。
「ほんとにっ?」
「女に二言は無いわよ。」
「うわー!俺、Aのそーゆーとこ大好きっ!」
しっぽフリフリ、お耳パタパタ。
犬感満載で抱きついて来るこの男のヒトが昨日で29歳になった…なんて信じられない。
年齢詐称してません?
「その代わり、この貸しは高くつくわよぉ?」
「わかってまーす。Aの欲しいもの、なーんでもあげちゃう♡」
甘いこと言いながらあたしを抱き上げた慧が歩き出して、あっという間にベッドの上へ。
「ちょ、朝からなに…」
「んー?そりゃもちろん、借りを返そうかなぁ、って。」
「はっ?まさか、“カラダで返す”とか言うつもりじゃ…」
「えー?だってAが一番欲しいもの、デショ?」
違うの?なんて言ってる彼の眼差しは少しイジワルで、おまけに妖艶でドキッとする。
でも“その通りデス”なんて、悔しくて言えない。
「お酒くさいし汗くさいからいやーっ。」
「まぁたそんな事言って…どーせAも汗びっしょりになるから気にしないの。」
「どんなセリフだそれわっ!」
「んふふ。恥ずかしがって抵抗するAも、かーわい♡」
ムチュ、って唇が重なって、彼の指があたしをまさぐる。
そうなったらもぉ、逆らえなくて…
「ねぇ、目が蕩けてる…気持ちいい…?」
ハニーボイスと彼の温度に包まれて、もう、なにも…
「ほぉら…気持ちいい、って聞かせて……やらしいAの声…聞きたいな…」
ピチャリと耳をなめられて震えると、嬉しそうな忍び笑いのあとに、うっとりするようなおねだり。
「誕生日プレゼント…チョーダイ…」
こんなこと言われたらどうにもならない。
だからあたしは、噛み締めてた唇をほどいた。
「いい声ぇ…もっと聞かせて…」
ズルいよ慧。
あたしまだ言えてない。
あなたが遅れてきたせいで、怒ってばかりで言えてないよ…
「たんじょ…び、おめでと……ぁ、ん…」
やっとの思いで伝えた言葉を受け止めて、彼が笑う。
慧、愛してる…
去年も今年も…
___きっと、来年もその先もずっと…
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おしまい
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マリナ(プロフ) - ぶっきらぼうでも不器用でも実は彼女の事大好きな薮くんの感じがもう最高で鼻血出ます!リアルに想像できるらなさんの天才すぎる物語が大好きです! (2019年10月25日 4時) (レス) id: bbedea094b (このIDを非表示/違反報告)
Nayu(プロフ) - 初らなさんがsnow whiteな私です。ここ数日で色々ならなさんのお話にどっぷりハマってます。個人的にはMyDiamondの高木さんが尊い…です。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: dde7df5103 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - らなさんのお話久しぶりに読んでとてもキュンキュンしました!! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 2fc616a0db (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» ありがとうございます。今回は伊野尾くんにそっくりないとこ、ってことで、普段ならしない言葉を使ったりする慧にぃを書けて楽しかったです。また次も楽しんでもらえるといいな、です。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました!凄く良かったです(^^)この2人のその後の話しも是非読みたいと思いました(^-^)特にベッドドンの所がキュンとしました(^^)また楽しみにお話し待っています(^-^) (2019年10月13日 15時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時:2019年6月18日 19時