Puppy Boo〜kouta.Y〜

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アメリカでの日々は忙しく
充実したものだった


社内での地位を約束されている俺だから
任されるプロジェクトは大きなものばかり

それを達成する感覚にドはまりして
日本のことなんざチラとも考えなかった



バリバリ仕事をこなし
高い評価を受け…

ここでの人脈と経験を
しっかりと自分のものにできたと
感じ始めた頃








「辞令が出たよ。
いよいよ、君を手放さないとならないねぇ…」





ここに来て、五年

アメリカでのボスである支社長が
ため息交じりに俺に伝えた





「非常に優秀な部下だったよ。
君を失うのは相当の痛手だ。」


「…光栄です。」





そうか…日本に帰れるのか…





「君にだって別れを言いたい
特別な女性くらいいるんだろう？
出立前の一週間、有休をとりたまえ。」


「そんなの、いませんよ。」





特別な女性…と言われて
なぜか生意気な小娘の顔が浮かんだ

あいつはどうしているだろう





「おや、何人か噂は聞いているがね。」


「彼女たちは良き友人です。」




身体の相性もバッチリの
いい『オンナトモダチ』だ





「どちらにせよ準備は必要だ。
いままで世話になったね、ありがとう…」


「こちらこそ…
たくさん学ばせて頂きました。」





固い握手を交わし
日本を出た時のように同僚に見送られ



俺は懐かしき故郷に
戻ることになった





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