僕たちからキミヘ〜JUMP名曲恋物語〜パート1

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心通わぬ激しい交わりのあと
俺は言葉を探していた



これは過ちだ

でも、それを認めたくない



謝罪の言葉を口にすれば
愛したことさえ嘘になってしまいそうで
俺は何も言えなかった




ひとつになっていた身体を引き剥がし
彼女に背を向け
枕元のティッシュに手をのばす

ゴムを外してゴミ箱に捨てると
Aがポツンとつぶやいた





「ねぇ…それ、なんで持ってたの？」


「『男のタシナミだから』って
友達がくれたんだよ。」






俺の答えに彼女は笑った






「気づかなかった…
慧くんも…そんな歳なのかぁ…」






また、子供扱いだ


対等に男として扱われてないから
だからこそ彼女は俺を責めない

これだけのことを仕出かした俺に
優しさと許しを与えようとしている






「ごめんね…」





そっと後ろから抱きしめられて
鼻の奥がツンとした


謝らなきゃいけないのは俺なのに…






口を開けば泣いてしまうとわかっていたから
歯を食い縛って息を殺した


泣くことは許しを乞うこと


これ以上の甘えや弱さは見せたくない






「慧くん…」






『こっちを向いて』と
そう言われた気がしたけれど
俺は振り返らなかった

抱きしめられて抱き返したら
俺はきっと泣いてしまう


代わりに小さな手を握りしめると
優しい歌がこぼれはじめた




それはとても美しい旋律


幼い俺に彼女がくれた
優しい子守唄だった






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