僕たちからキミヘ〜JUMP名曲恋物語〜パート1

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旅行、二日目


リビングのテーブルに参考書を拡げ
キッチンに立つ後ろ姿をこっそり眺める





いま、言うべきなんだろうか


俺はまだ高校生だけど
あと何年かすれば大人になる

それまで待っていてくれと
伝えるべきなんだろうか



半年前に比べて
彼女は確実に痩せた

苦しい恋が細い身体を痛め付けてる

そこから抜け出すためのきっかけに
俺の言葉は役に立たないかな…







「ご飯できたよー！」





今夜のメインはホワイトシチュー

パンは腹持ちのいいブルスケッタで
トマトをくりぬいて器にした
ツナとオニオンのサラダも美味しそう





「おかわりたくさんしてね。」


「んっ。」





ガツガツ食べてる俺を見て
優しい瞳が細められてる

そんな幸せそうな顔なのに
なんでため息ついてるの？





「毎日…ご飯作ってあげたいなぁ…」


「…！」





彼女が見てるのは俺じゃない

俺の向こうに見えているのは
愛してくれる妻を裏切りながら
彼女のことを泣かせてる、最低の男





「…慧くん？」





立ち上がった俺を
不思議そうに見ている彼女

土曜日だから化粧もしてない


俺を男として扱わない
その無防備過ぎる姿に腹が立った





「来てよ、こっち。」


「えっ？ちょ、ちょっとなにっ？」






もぉ、まっぴらだ


俺はお前の弟じゃない

お前に恋してる
高校生の男なんだよっ！







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