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ー2019年春ー
「……かる、おい、光ってば。」
過去の思い出に浸ってた俺は、いのちゃんの声に呼ばれて現実に戻った。
「なにボーッとしてんだよ。桜に魅せられたか？」
「ふふ。そんなことないよ。」
俺を魅了して離さないのはいのちゃんで、今だって彼のことばかり考えてる。
そんな想いを込めて抱きしめると、柔らかな腕が背中にまわった。
「夜桜は人を惑わす、とか言うからな。誘われてどこかへ行くなよ。」
「いかないよ…」
ギュッと抱きしめる力を強くすると、いのちゃんは安心したように俺の肩に顔を擦り寄せた。
可愛いなぁ…ってふわふわの髪にキスすると、くすぐったそうに肩を揺らした。
ああ、あの頃の俺に教えてやりたい。
こんな幸せが必ず来るから、だからずっと彼を愛していていいんだよ…って…
「ひかる？まーたなんか考え事してんな？」
顔を上げたいのちゃんに睨まれて、こりゃマズいと慌てた。
この人は、自分は自由奔放なくせして俺が余所見してるとすぐ不機嫌になるんだ。
例えばそれが“過去のいのちゃん”や“未来のいのちゃん”のことであっても許してくれない。
「や、あのさ…えーっと…」
こんな時に言い訳するのは逆効果で、言えないこと(えっちな妄想とか)ならともかく、こんな思い出なら正直に打ち明けた方が怒りは少なくてすむ。
その経験からあの日の花見のことを話すと、いのちゃんは深々とため息をついた。
「よくそんなに細っかく覚えてるなぁ…」
「ん。だってあの時のいのちゃん、すごく綺麗だったから。」
こっちは真面目に答えたのに、いのちゃんは苦笑いしてから“恥ずかしいやつ”って視線を反らした。
ま、照れ隠しなのわかってるからいいんだけどね。
「そう言えばいのちゃんさ、電話、してこなくなったね。」
「ん？」
話の流れでなんとなく口にしてみれば、確かにここ何年か、と言うか俺たちがこんな関係になってしばらくしてから、いのちゃんは電話をしてこなくなった。
別に連絡くれなくてもいのちゃんに会えるのは俺にとって幸せ以外の何物でもないからいいんだけど、でも…なんで？
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ぐるぐる(プロフ) - えぇっ！！らなさんのお話がupされてる！！私の大好きなひかいのちゃん。すっごく嬉しいです。緊急事態宣言は解除されたけど、まだまだ自粛しないといけない事いっぱいですよね……私もひかいのちゃんを見習って出来るだけの自粛は続けていきます！ (2020年6月8日 22時) (
レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うれしぃ。ひかいの。 (2020年6月2日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - らなさん、お久しぶりです。私は仕事上、働かなければならず、忙しなかったです…。久しぶりにらなさんの新しいお話しを読みました。いつも癒しをありがとうございます。改めて気を引き締めてこの事態を乗り越えようと思いました。らなさんもお気を付けてくださいね。 (2020年6月2日 17時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - やぶさん……とんでもなくド変態(笑)汗が好物なんて……良い！(笑)相変わらず激かわな知念ちゃん(o´艸`)幸せな休日になれたかな〜^^？ (2019年9月13日 23時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - みるみるみるきーさん» おお、そんなに喜んでもらえるとなにやらテレるな(笑)再録面倒だと思ってたけど、みるちゃんのためにも頑張るね♪ (2019年8月17日 23時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時：2019年3月30日 16時
