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怖くて堪らなくて強く目を閉じた。
俺にできることはそれしかなかった。
この続きが聞きたくなくて耳を塞ぎたかったけど、身体が強張って動けない。
「俺たちね…」
こんな時まで甘い声。
なんで今なの、伊野ちゃん。
明日の俺に泣き腫らした顔で舞台に立てって言うの?
「………別れた方が、いいと思うんだ。」
「…………は?」
目を開けて、思わずガン見。
別れるってなに?
そもそも俺たち付き合ってないよ?
「裕翔が俺を好きだって言ってくれて嬉しくて…その…俺も、ずっと裕翔が好きで…」
は?は?
「ちっちゃい頃は弟みたいに思ってたのにどんどん男らしくなってかっこよくなってく裕翔のこと…やっと独占できるんだ…って…」
え?はい?
「嬉しくて嬉しくて舞い上がってた…んだけど……裕翔、さ、その…間違えちゃったん…でしょ?」
え?なんなんだこの話の流れ。
ついでに伊野ちゃんポジション的に俺を見下ろしてるのにビミョーに上目遣いっぽく見えるのどうして?
「裕翔の好き、はさ……お兄ちゃん好き、みたいなヤツなんだよね…きっと…」
「え?お兄ちゃん?」
「誤解だったんだろ?友達の“好き”よりもうちょい強く“好き”って感じたからコクっただけで…」
「ちょ、待って伊野ちゃん。俺は伊野ちゃんのことそんな風には…」
可愛らしさ全開の伊野ちゃんを、お兄ちゃんだと思ったことは___子供の頃ならともかく、大人になってからは一度もない。
てか初めて見たときはなんでジャニーズに女の子がいるんだと戸惑ったくらい、なんだけど?
「裕翔、優しいね…」
ドアを挟んで、伊野ちゃんの手のひらが俺のほっぺをそっと撫でた。
「気付いたのに…自分の気持ちが恋じゃないってとっくに気付いてたのに、俺を傷つけたくなくて我慢して…」
「伊野…ちゃん…?」
悲しげに揺れる瞳。
そこに見えた、やっと見えた、伊野ちゃんの心。
「ねぇ…俺のこと、好き…なの…?」
「うん…俺は裕翔が好き…」
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ぐるぐる(プロフ) - 落下回避。たかきくんヤキモチ妬いちゃってたんですね〜!いいぞ!もっと妬いちゃえ(笑)あっちでもこっちでもイチャラブなジャンプちゃん(o´艸`)安定の裕翔くんも好きです(笑) (2019年9月7日 0時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - やまいのちゃん。この2人は美しすぎて…会えない時や顔が見えないから素直に言える言葉ってありますよね(^-^)こんなにストレートに愛を囁かれたいです(o´艸`) (2019年9月6日 23時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - タバコを吸う2人がすごく大人に感じました本当に有り得そうな情景で、この2人はきっとこの関係が続くのかな〜と思いました。 (2019年9月6日 23時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - みるみるみるきーさん» どのお話しだよ!そーゆーのは早く言わないといつまでも載らないぞっ!(笑) (2019年9月1日 12時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» いつもながらのご来場ありがとう( ´∀`)古いのはほーんと恥ずかしいんですよ、いまでも下手くそなのにさらに…なもんで(笑)でも、楽しみにしてくれてるって聞くと頑張るパワーになるのですよ。また次もヨロシクです♪ (2019年9月1日 12時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時:2019年4月29日 19時