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「おーい!ウィスキーでいーかぁ?」
「なんでもいーよ、任せるー!」
キッチン奥の収納庫を漁ってるらしい藪の声に適当に答えてから、胸の中のモヤモヤを追い出したくて大きく息を吸って吐いた。
藪が光しか見ていないのと同じく、俺は藪のことばかり見ている。
一方通行の気持ちは次から次へと降り積もり、その量は増えることはあっても減ることは無かった。
「やっぱブランデーにした。こないだ貰ったやつ。」
「へぇ、誰から?」
一旦会話が途切れたことで、話題は移り変わった。
その事にホッとしていただきものの高級酒を楽しんでいるとき、思い付いたのはとんでもないこと。
そうだ。
この期に乗じて少しだけ…藪の気持ちを俺に向けることはできないだろうか。
「ねぇやぶぅ。さっきの話しなんだけどさ。」
世間体がどうの将来がどうの、なんて話を蒸し返すつもりは毛頭ない。
俺が考えていたのはもっと俗なこと。
「恋愛云々はさておき、男同士のアレってどーなんだろうね?」
「………は?」
藪だって健康的な成人男性だ。
勿論、女性とそう言った関係を持っていることは知ってるけれど、光を思って一人でしたことだってあるだろう。
だとすれば…
「キョーミ無い?俺はけっこう気になるかも。」
チラッと“こんなこと言ったらヒくかな?”って不安になったけど、どうせ何をしようと藪は俺を愛さない。
ならせめて、身体だけでも繋がってみたい。
「ん〜、そうだなぁ…全然興味ねぇ、とは言わねーけど…」
「でしょ?だからさ…」
向かい合って座ってた場所から膝をついて移動して、藪ににじり寄る。
これで藪が無反応なら仕方ないけどもしかしたら…
「………おい。何を考えてる?」
「やぶぅと同じ事、かな?」
普段なら有り得ない。
でも今夜の俺たちはしたたかに酔っていて、だから理性のブレーキも緩い。
「俺ぁ掘られんのゴメンだぞ。」
「いーよ。俺が下で。」
ニコッとすると、藪が戸惑うように顎を引いた。
ダメなのか?
「女抱くときと同じでいーのかよ。」
「たぶんね。試してみて。」
顔を近付けて目を伏せると、肩に手がかかる。
「ヤバいと思ったら言えよ。やめっから。」
「ん、わかった。」
答えた俺の唇を塞ぐ藪のそれは、しっとり柔らかくてアルコールの匂いがした。
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ぐるぐる(プロフ) - 落下回避。たかきくんヤキモチ妬いちゃってたんですね〜!いいぞ!もっと妬いちゃえ(笑)あっちでもこっちでもイチャラブなジャンプちゃん(o´艸`)安定の裕翔くんも好きです(笑) (2019年9月7日 0時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - やまいのちゃん。この2人は美しすぎて…会えない時や顔が見えないから素直に言える言葉ってありますよね(^-^)こんなにストレートに愛を囁かれたいです(o´艸`) (2019年9月6日 23時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
ぐるぐる(プロフ) - タバコを吸う2人がすごく大人に感じました本当に有り得そうな情景で、この2人はきっとこの関係が続くのかな〜と思いました。 (2019年9月6日 23時) (レス) id: b11125461f (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - みるみるみるきーさん» どのお話しだよ!そーゆーのは早く言わないといつまでも載らないぞっ!(笑) (2019年9月1日 12時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - shootingstarhapさん» いつもながらのご来場ありがとう( ´∀`)古いのはほーんと恥ずかしいんですよ、いまでも下手くそなのにさらに…なもんで(笑)でも、楽しみにしてくれてるって聞くと頑張るパワーになるのですよ。また次もヨロシクです♪ (2019年9月1日 12時) (レス) id: b35b5df26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/isut/ano/
作成日時:2019年4月29日 19時