JUMP短編集〜十人十色の恋レシピ 5〜

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「A…」





曖昧に終わらせようとするのは
彼の優しさなのかもしれない

わかっているのにそれを受け入れられず
泣き出しそうな声で叫んだあたしに
涼介は静かに微笑んだ





「なんか勘違いしてない？」


「勘違いって…！
飽きたからあたしを捨てるんでしょ！？」





みっともなく震え続けるあたしの指先を
涼介の大きくて柔らかな手がそっと握る







「Aのばーか。」


「なっ…！？」


「誰が別れたいなんていった？
俺はね、“いまの関係に飽きた”って言ったの。」


「だからそれが…！」




残酷だよ…涼介！

そんな素敵な笑顔で
決定的な言葉もくれずにあたしを捨てるの！？






「…ガラにもないことしなきゃよかった。」






ため息をついた涼介は
ポケットに手を入れて何かを取り出す





「いまの関係に飽きたから
それを変えるために
俺と結婚してもらえませんか？」





その手があたしに見せたのは
小さな箱に入ったダイヤのついた指輪






「おい…泣くなよ…」


「だってぇ…」





フラれると思ったらプロポーズ

急な展開に心が追い付かない





「返事は？イエス？それとも、ノー？」


「わ…わかってる癖に…！」





爪の先まで整えられた指が
ふわりとあたしの涙をぬぐう





「Aの口から聞きたいんだよ…」





甘い瞳で問いかけるカレに答えるために
あたしは大きく息を吸った







・




END




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《 涼介くんから一言 》



ちょ！ここで終わり！？

返事は！？




あ、そっか…

『イエス』なら
お星さまを押して教えてくれるんだね？


もちろん押してくれるよね



Aのその、かわいい人差し指で…さ







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