JUMP短編集〜十人十色の恋レシピ 5〜

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「やっぱり少しは
おしゃれしてくるべきだったかなぁ…」




地味めのスーツでホテルに着いて
ちょっぴり後悔する

あんまりにも“その気ナシ”な服装は
あちら様に失礼だったかもしれない





「でもあたしには…
『ホームの人』がいるんだもん…」





残業で遅くなった日

帰りの駅の向かいのホームに、その人はいる



電車を待つ間に缶コーヒーを1本買って
ゆっくり飲んで帰ってく

わずか5分ほどのすれ違い


それでも、あたしは彼が好きだった






「いらっしゃいませ。
承っております、こちらへどうぞ。」




ウェイターに案内されて席に着くと
先に来ていた男性が立ち上がる






「は、はじめまして！
ぼくっ…岡本、圭人っ、ですっ！」





緊張しきって裏返った声

でもあたしは嬉しくてめまいがしそう





「その！あなたは知らないと思いますが…
僕はあなたに何度も会ったことが…
いや、いつも駅で見かけてて…あのっ！」




赤くなったり青くなったりしてる彼

いつもは見られない動揺っぷりがおかしくて
あたしはクスッと笑いをこぼした





「岡本さん…
あたしもお見かけしたこと何度もあります。」


「え…？」


「あなたの真似をして…
飲めない缶コーヒーを
無理して飲んだりしてたんです。」





あたしの告白が通じたのか
彼は首まで赤くなってから優しく笑った





「Aさん…と、お呼びしてもいいですか？」


「はい…」




素敵な予感に胸がふるえる




「Aさん…ずっとあなたに恋をしてました…
どうか、結婚を前提に
僕とお付き合いをしてください。」




誠実そのものの彼の声はあたたかくて
あたしは夢でも見てるみたいに幸せだった






・


END



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《圭人くんから一言》




え？返事は！？

あとなんかゆーてぃに比べて
ぼく、急にカッコ悪くない！？


(だって圭人、こーゆーの似合うよ？
いさぎよくあきらめてくださーい・笑)←作者



うう…それはあきらめるけど
Aさんの返事はあきらめられない！






貴女の“イエス”…
お星さま押して教えてくれますよね…？



待ってます！



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