JUMP短編集〜十人十色の恋レシピ 5〜

しまり屋なロマンチスト〜yuri〜01 ページ18

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「わぁ…ステキ…」






デートの途中で通りかかった
小さなお店のディスプレイ

そこにあったのは
女の子の憧れ“ウェディングドレス”






「ふーん、こーゆーの好きなの？」


「好きって言うか…
きれいだな、って思っただけ。」






それほど興味のなさそうな声に
あたしはちょっとだけガッカリする





付き合って五年になるんだから
少しは意識してくれないかなぁ…





大学で知り合って
就職して今年で三年

同期の間じゃそろそろ“寿退社”の声も聴こえてる

焦ってるわけじゃないけど
ここまで無関心にされるのって寂しいかも…




うつむきながらトボトボ歩いてると
侑李がピタッと足を止めた






「まぁ、あれも似合うと思うよ。
でもなぁ…うーん…」





いきなり“似合うと思う”なんて言われて
心臓がバクバクしてくる

あたしのドレス姿、想像してくれてるの？





「ちょっと来て。」





手を引かれてドレスの前に連れていかれて
驚いてたら、侑李ってば…






「ここのラインが気に入らないんだよね。
Aの腰の優雅な曲線が隠れちゃうだろ？」


「…え？」


「あとベールが長すぎる。
かがんだとき、横がこんなに長かったら
地面についちゃうじゃん。」


「はい？」


「ブーケも黄色のチューリップってヤだな。
Aには真っ白な百合が一番似合うから。」


「ゆ、百合？」






え？なにこれ

なんであたし
ウェディングドレスのダメ出しされてるの？







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