JUMP短編集〜十人十色の恋レシピ 5〜

キミがここにいるから〜hikaru〜01 ページ12

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あたしを隣に座らせて
愛器『木太郎』を抱えた光は作詞に夢中

ときおり頭を撫でてくれるけど
こっちを見ることもしない





「んと…ここがこーなって…
したらこっちでこれ使いたいから…」




真剣な眼差しに
カリカリとペンをすべらせる
綺麗な指先

左利きのヒトって感性が鋭いとか
芸術家気質だとか言うけど
光についてはその通りだなぁ…





「出来たぁ！！！」





バンザイと同時にペンを放り投げ
光は満足げな笑顔

きっと素敵な詩(うた)が
あの紙には書いてあるんだろうな…





「おめでと！ね、見せてよ。」


「ありがと！でもまだダーメ！
これに音がついて、歌が乗って
完璧になったら聴かせてあげる！」


「あーん！いじわるぅ！」


「いじわるじゃないよ。
俺は完璧主義なだけだもーん！」





いつものことながら
光は書き上げた詩(うた)を
完成品とは認めない

音として楽しんで欲しいから…って
文字だけを見せるの、イヤがるの





「ぶーぶー！
できたてホヤホヤが見たいのにぃ！」


「あは、その顔かーわいっ！」


「ごまかすなぁ！」


「ごまかしてなーいよっ。
それどころか、感謝してます。」




感謝？

首をかしげたら
ギュッと抱きしめられた





「Aがいてくれると
いい詩(うた)が浮かぶんだよ。ありがとね。」





うにゃん！

そんなこと言われたら
もぉだだっ子できないじゃーん！




「あ、照れてる？」


「照れてないもっ！」




ただうれしいのと
ごまかされちゃう自分が
ちょっぴり悔しいだけだもん！


そんな気持ちは言えなくて
代わりにぎゅーぎゅーしがみつく




「かっわいいなぁ！
もぉ！キスしちゃいたいぞー！」


「きゃん！」





チュチュチュチュッ…って
たくさんたくさんキスされて…





「A…目、開けて。」


「…？」




光のキス攻撃に閉じてた目を開くと
すごーく近くであたしを見てる





「大好きだよ…俺にも、ちゅーして。」





ドキドキドキドキ…


光の瞳に灯った欲望に
あたしの奥が熱くなる




「あたしも…大好き…」





ふわっと優しい口付けは
やがて熱くて激しいものに変わっていった









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