お風呂上がる。 ページ16
「洸汰くんっ」
腕を精一杯伸ばして、なんとかその小さい体をキャッチする。
一先ず安心して、大丈夫だろうかと彼の方を見やると、なんと鼻血を出して気絶していた。
慌てて風呂場から飛び出してマンダレイの元へと走った。バスタオル巻いただけの状態でしたが。
「大丈夫そうですか」
「うん、もうちょっとしたら、眼が覚めるよ」
「よかった……」
眉間に皺の寄ってない洸汰くんの寝顔は年相応で可愛かった。いつもこんなしていれば良いのに。
「じゃあ私服着てきます」
「まずは着てからだけどね、普通」
ビックな私は型にははまれないんです、と扉を開ける。
「………あ、轟くん？？」
「……………A…」
そこには呆然とした表情を浮かべる轟くんがいた。水も滴るいい男ってこういう事なんだろう、シンプルな部屋着も不思議とお洒落に見える。
洸汰くんのことを見に来たのだろうか。
そう思ってすすす、と通路を開けるのだが、轟くんはそのまま動かない。
遂に自分の個性で固まったか、と怪訝な顔をしていると
「ふ、服！なんで着てねえんだ！」
「ワーーーーッッ！！！！」
珍しく轟くんが大声をあげて、盛大に目を逸らした。
その言葉でハッとした私は、視線を下げ、羞恥で轟くんを力一杯跳ね除けて女子風呂へと走った。走りまくった。
ピシャン！と閉めた脱衣所のドアに寄っ掛かり、私は轟くんの真っ赤に染まった表情を思い出す。こんなに恥ずかしい事はない。いや別に、あれが上鳴くんとかだったら、普通にポージングだって取れる自信がある。でも、相手は轟くんだ。無理だ、できない。
「〜〜ッ」
私は暫くそこから動く事ができなかった。
〜一方その頃〜
「……やべえ」
剥き出しになった白く火照った柔らかそうな肌とか、タオルから覗くすらりと伸びた脚とか、しっとりとした髪と、甘い香りとか、忘れようと思って頭を振るっても、また現れるそれは。
『轟くん』
と、桃色の唇が色っぽく弧を描き、ただでさえ風呂で熱くなっていた体を熱くするのだった。もう一生忘れられなさそうだ、と、諦めて、座り込んだまま当てもなく天井を見上げる。
「…くそ、可愛い…」
その呟きは、熱っぽいと息とともに少しひんやりとした空気に溶けて消えた。
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玲音 - 可愛いかよっ…ｳﾞｯ(心肺停止) (2018年7月9日 2時) (
レス) id: 89de5cc263 (このIDを非表示/違反報告)
山田中 - 紫苑さん» そうですよね、やっぱりお風呂って言えばluckyスケベですよね。縁はないんですけどね。好きです。 (2018年7月8日 14時) (レス) id: 516ccbe87e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - セコム轟っょぃ。洸太くんこっち落ちてきたってことは…お察しですよね(ﾆﾔﾆﾔ (2018年7月8日 3時) (レス) id: 3603310884 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 山田中さん» はい。更新楽しみに待ってます。 (2018年5月12日 8時) (レス) id: 20aecf2dbb (このIDを非表示/違反報告)
山田中 - 鈴木美妃さん» ありがとうございます！とても励みになります…嬉しいです。最近忙しくてなかなか更新できなかったのですが頑張りますね！ (2018年5月12日 8時) (レス) id: 24db06f8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田中 | 作成日時：2018年5月3日 23時
