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楽屋から出たらスタッフの人に裏口まで案内された。
スタッフ「ここからでられますんで。」
「はいっ。…いろいろと迷惑かけてすいませんでした。」
ｷｨｯ……ﾊﾞﾀﾝｯ
「はあぁぁ……っ」
なんかもう、疲れた。
帰ろう。
買い物して、帰ってご飯食べよう。
今日はカレーにしようかな。
メンバーの大倉忠義さんの好物だったっけ。
それでお風呂に入って、着替えて…、
『待って、！』
「…へっ、？」
帰ってからのことを考えてたら誰かに呼び止められ、振り返る。
「…安田、さん、？」
安田「おんっ。……大丈夫、？」
「…えっっ、？」
安田「いや、その…泣いてたから……」
「あぁ、…大丈夫です。すいません、心配かけてしまったみたいで、」
安田「あ、あぁ、…そっか。…あの、あとな、」
「はい、っ？」
安田「ぶつかったときに、…く、唇が触れてしもうたと思うんやけど……大丈夫、やった…？」
「〜〜っ、…大丈夫ですよ、っ」
そっか、そのこと心配してくれてたんだ…。
安田「あぁ、そっか。もしファーストキス奪っちゃってたらどうしようって思って……」
「ファーストキス、ですか？」
安田「おん。ほら、大切なもんやろ、？」
大切なもの、か……。
「大切なものなら、もっと大切にすればよかった…。」
安田「えっ、？」
もう、なんでもいい。
どうせ安田さんと会うのも最初で最後だろうし。
「私、両親いないんです。」
.
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作者名：ろっくん | 作成日時：2017年10月21日 21時
