業火の向日葵 22 ページ8
「変わらない?」
快斗「お前は本当に昔から変わってねぇ」
優しくだけど撫でてくれた。
優しく微笑みながら…。
ごめん、ごめんね快斗。
「ごめんね…」
快斗「気にすんなよ、別に…」
「そうじゃなくて！弱くてごめんね」
快斗の服の裾を握りながらいうと、
｢ほんとにな」とだけいう。
「あ、快斗、
あのメールの意味って…「それは」
快斗「また今度な」
「…え？」
快斗「ってか、別に言ってもいいけどよ。
お前に言っても多分、分かんねぇだろうし」
「なに、それ笑」
快斗「お前は笑ってるほうがいいんだよ。
名探偵を想って苦しんでる姿よりも」
「…快斗…」
快斗「ま、
俺を想って泣いてくれるなら嬉しいけど〜」
「ばか…」
どうしてなんだろうね。
快斗の想いは知らなかったけど、快斗に優しくされて守られてたのは分かってる。
だけど…
いつも私が好きだって思うのは、
新一なんだ。
快斗「さ。ま、とにかく俺はやることあるから、お前は大人しくしてろよ」
「向日葵を盗むなら
大人しくなんてしてないよ」
快斗「ははっバーロォ。
そんなんじゃねぇよ」
『皆さん!
向日葵の展示に異常があったようです。
エレベーターに移動してください』
近くの警備員さんが大きな声でそう言い、人々を誘導させる。
「展示に異常…?」
ﾁﾗっと快斗を見ると、
少し考え込んでる様子。
快斗「隠れろ、霊夢｣
「えっ｣
快斗「先に外に出ろっつても
おめぇーはでねぇだろ」
素直に頷くと「やっぱりな」
と言いながら笑った。
快斗「警備の奴らが消えるまで、
ここに隠れてろ」
警備の人の死角になる場所に隠れ、
大人しく待つと警備の人がいなくなる。
そしてその時ちょうど、電気が消えた。
「なに…停電…?」
快斗「…まさかっ!」
思い当たる節があるのか、
焦ったような表情をした快斗。
快斗「…先に外に出ろ!霊夢！！急げ！」
私の背中を押す快斗がエレベーターのボタンを押すけど、中々動かないみたい。
すると、足音が聞こえてきた。
快斗「ッチ、隠れろ!」
ぐいっと引っ張られ、部屋の角に隠れる。
「火が！｣
圭子さんが来るのが見えたけど、
火事が起きてる事をカメラで次郎吉さんに知らせた後すぐさま下に降りて行った。
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作者名：ななみん | 作成日時：2020年12月17日 15時
