沈黙の15分 23 ページ38
小五郎「いや、それはねぇな」
コナン「どうして？」
小五郎「あれを見てみろ」
おじさんが指差したのは1つしかない靴跡。
小五郎「靴跡は一種類だけだし、
そのスノーシューズの跡に間違いねぇ。
つまりだ。氷川さんは村から一人で沢図台に歩いてきて、雪道を歩いてるうちに心臓発作に襲われて亡くなった。そういうわけだな」
「スタンガンは？」
小五郎「ロッジにでも置いて来たんだろう」
コナン「そんなはずないよ」
小五郎「しっかし、あの靴跡」
園子「もしかして、
犯人のトリックだったりして。
ほら、よくあるじゃない。
雪の上に残った靴跡って」
小五郎「お前なぁ。靴跡、雪の上？
分かったぞ！！
やはりこれは、犯人のトリックだ！！！」
呆れた様子から、急にひらめいた顔をして
そう叫んだおじさん。
いや、
さっきからコナンがそう言ってんじゃん。
「「「え〜？」」」
小五郎「いいか。犯人は沢で氷川さんを毒物かなにかで心臓発作に見せかけて殺害。
用意しておいた氷川さんと同じ長靴に履き替え、背負ってここまでやってくる。そして、氷川さんを降ろし、スタンガンを奪い取った。帰りは自分が残した靴跡を後ろ向きで踏んで戻ったんだ」
「後ろ向きで帰る？そんなことできるの？」
小五郎「できるさ！」
おじさんは雪道に靴跡をつけ、
そして後ろ向きで戻ろうとした。
小五郎「あ、あぁぁ！？」
上手く足を置けなくて後ろに倒れ込んだみたい。
ほんと、
ばかだな…おじさん。
コナン「わかったよ、おじさん。
犯人の超簡単なトリックが」
氷川さんを見てたコナンが急に
子供の声でそう言う。
小五郎「なにぃ！？」
コナン「ほら、
さっき雪が降ってたじゃない？
犯人は氷川さんと一緒に沢から歩いてきて、この場所で心臓発作に見せかけて殺害。
その後降って来た雪が2人の靴跡を
消したんだよ！」
「おぉ…」
納得いく推理で思わずそんな声が漏れた。
コナン「そして、その雪が止むのを待ってから犯人は要していた氷川さんと同じ永靴に履き替え…逆向きに歩幅を気にしないで歩いて沢まで戻ったんだ。ね？こうすれば、
一種類の靴跡だけが残るでしょ？」
ね？って言った時のコナンの笑顔の可愛さにキュン死。
哀「ちょ、痛いから」
バシバシと哀の肩を叩いていた。
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作者名：ななみん | 作成日時：2020年12月17日 15時
