業火の向日葵 17 ページ3
コナンSIDE
朝起きると、いつもは隣に布団があるけど何もなく喪失感に襲われる。
眼鏡をつけて、事務所の扉を開けるとタオルケットみたいなものがチラっと見えた。
コナン「っ…」
ソファーに近づいてみてみると、
居るのは寝ている霊夢。
携帯を握りしめたまま…な。
さらっと前髪を触ると、
少しもぞっと動くけど瞳は開かない。
コナン「俺が…どれだけ素直になっても…」
お前には分からないよな。
コナン「お前の瞳はいつも」
あいつを見ているんだろ。
コナン「…幼馴染なんて思ってねぇよ…」
思えるわけがない。
コナン「俺は…お前が…」
"すき"
でも、その2文字はいつも、
霊夢に言えずに終わる。
「んっ…」
少し小さく口が動くけど、
声は小さくて聞こえない。
聞こえないけど…口の動きは見えた。
"すき"
コナン「…いつも…いつも俺だけを」
見てほしい__
「新一ってさ…
なんでいつも私の傍にいてくれるの?」
日直も関係なく、いつも教室にある向日葵の水やりをやっている霊夢。
新一「んなの…別に…」
はぐらかそうとして、
違う別の話にしようとした時。
「蘭…はいいの?」
小さくだけど
はっきりと霊夢の口から聞こえた言葉。
新一「はぁ?なんで蘭が…」
「好き…なんでしょ?」
新一「あのなぁ。蘭は別に…好きじゃねえ。
俺が好きなのは霊夢だ。」
「え!?」
新一「お前はどーなんだよ」
「…好きだよ。ずっと前から」
また小さくなにかを言うけど、
今度は聞こえなくて。
新一「ん?なんか言った…「好きだっていってるの!」
新一「ほんとか?…」
「うん。嘘なんて言わないよ」
ってかまず…
新一「…俺はお前の事幼馴染だなんて
思ったことねぇよ」
「えっ…?」
新一「ずっと前から。好きだったんだからな」
「ふぁ朝…か」
目をぱちぱちしながら視界をよくすると、
誰も居ない静かな事務所。
「…誰か、いたような気がしたんだけどな…」
触れられたような前髪を少し触りながら呟くけど、しーんと消えていく。
「はぁ…」
懐かしいな。あの時の。
「もう…私が不安になる要素なんかなかったのに、ごめんね。あの時の言葉、もっと前に思い出しとけばよかった」
ずきずきと痛む頭を抑えながらボソりと呟くと、今度は何故か心に響いた。
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作者名:ななみん | 作成日時:2020年12月17日 15時