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観覧車乗り場へと続くエスカレーターから身を乗り出していた元太は、迫る支柱に気づかず接触し、投げ出されてしまった。
悲鳴が起きている。
その光景を見ていたAも息を呑んだが、距離がありすぎて間に合わないことは分かっていたため、動くことができなかった。
しかし、同じく身を乗り出したキュラソーを確認したため、少し安心できた。
記憶が無いと過程していたけれど、その通りにしても、身体能力は衰えていないみたいだ。
壁へと飛び移り、滑ることで加速をつけ、
元太を受け止める事に成功していた。
良かったけど、
多分今のでシェリーは警戒したね。
オッドアイの人は、組織のNo.2、
RUMの特徴は知っているらしいし。
観覧車乗ろうとしていた元太、光彦、歩美は、その景色にはしゃいでいた。
しかし、頂上付近で突如苦しみ出した彼女は、いくつか単語を呟き意識を失い、
そのまま医務室へと運ばれてしまう。
その様子を地上からスコープで観察していたわたしは、ベルモットへと声をかけた。
『記憶喪失だと思う。どうする?』
「貴方はそこにいなさい」
何回もおもったけと、
私の監視はしなくていいの??
そう思いつつOKと答えた。
気配を消して堂々とStuff onlyと書かれた扉を潜るベルモット。さすがだね。うん。
他に連絡するなら、今しかない。
プライベート用のスマートフォンを取り出し素早く電話をかける。
大丈夫、今彼女達とは離れているし、
ジン達もここには居ない。
盗聴されている様子もない。
それに、これだけ大規模な施設で
特定の電波を拾う事はほぼ不可能なはず。
そう自身に言い聞かせ、かけた。
『もしもし秀一?私は大丈夫なんだけど、
頼みがあるの』
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作者名:ななみん | 作成日時:2020年12月17日 15時