公安エースの右腕 (ページ39)

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零side

『それについては捜査が進み次第、
警視庁公安部に伝える。』

新咲「わかりました。」

Aは唇を噛み締めて泣いていた。
その姿は、かつての俺を見ている様だ。

再び頭を撫でると、俺はこう伝える。

『例の件はどうなっている？』

新咲「はい。
2291を投入する手筈になっています」

ペラペラと紙を捲る音が聞こえる。

突然まばゆい光がさしこんできて、
俺は思わず外に目をやる。

海の上の朝日が昇ったのだ。

『わかった。』

電話を切ると、海の先に建つ、
朝日輝くビル群を見つめた。

A『零、犯人は絶対、捕まえる』

その目には、闇が微かに映っていた。
冷静で、どこか冷たい声。

…あの時の俺と、一緒だった。

『お前の私怨で言っているなら外す』

A「えっ。なんで？！」

俺は同じく冷たい声をかけた。

『国のために捜査するのがゼロ。俺達だ』

その言葉に少しだけ目を見開く。

A「そうだね。忘れてた。」

笑顔を見せたAに、
俺も微笑み返す。

A「国のために
テロリストは捕まえる」

『もちろんだ』

朝日が俺達を照らした。