公安エースの右腕 (ページ35)

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コナンside

「おっちゃんが逮捕される？！」

俺が階段を駆け下りて下に着いた頃には、
おっちゃんを乗せた車は走り出していた。

思わず立ち止まり、
息を切らして車を見送る。

背後でドアベルの音が聞こえてくる。
それと同時に
自動ドアの開閉音も聞こえてきた。

振り返ると、事務所下の喫茶ポアロからエプロン姿の安室さんと桃山さんが歩いてくる。

二人とも事件があった素振りなど
見せてはいなかった。

安室さんの右頬には大きな絆創膏が貼られているし、桃山さんの右腕には包帯が巻かれている。

俺は急いで2人の間に入った。

さっき撮った写真をスマホから映し出す。

『これ、公安の刑事さんだよね？』

安室「さぁ、知らないけど。」

『桃山さんは？』

A「私も知らない」

俺のスマホを見ると、
背を向けるようにして掃除を続けた。

スマホには、メガネをかけた男の刑事と
栗色の髪を束ねた女の刑事。

さっきチラッと聞いた名前は風見裕也と
新咲七望。

２人は見た目の年齢はそれほど高くなかったが、部下を従えていた。そのこともあり、
そこそこの立場にいることが見て取れた。

「怪我しているね、新咲刑事も風見刑事も、安室さんも桃山さんも！つまり二人ともいたんだよね、爆発現場に」

A「なんのことかな？
よくわかんないけど」

柔らかい物腰の裏に、
冷たい雰囲気が２人の中から放たれる。

『サミット会場の下見をしてたんだよね？』

安室さんのほうきを動かす手が、
桃山さんの進む足が、一瞬だけ止まる。

それは多分、肯定を示していた。

『きっとその時テロの可能性を察知した。』

２人の頭脳と推理力、洞察力があれば
そんなのは容易に推測できるはず。

『けど、今のままでは爆発を事故で処理される。そこで容疑者をでっちあげた、
違う？！』

２人の背中に推理をぶつけた。