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キュラソーside
過去
『この車、逃走には向いてないんじゃない？』
バレンシア「私ね、これの車が一番しっくりくるんだ。だからこれだけは確実に言える。キュラソーが所定のルートで戻ってきてくれたら、追いかけっこは無い」
運転していたバレンシアは、視線を移す事なく応えた
『そう。それにしても随分と余裕なのね？』
「どういう意味なの？」
『RUMが最も怪しんでいるのは、
バーボンとキール。
自分の男が疑われているっていうのに、
その作戦に素直に参加するんだもの』
バレンシア「貴方も知ってたの？意外ね。」
交際を公言した事は無かったのだろう。
ベルモットに知られた時点で、ジンやキャンティ達にも伝わってしまっていたようだ。
ちなみに、
わたしはRUMからその情報を得た訳だが。
『割と有名よ？』
ものすごく怪訝そうな顔をされた。
バレンシア「疑うって…。
彼らを監視していたのは私。
RUMがそんなに気にしている
意味が理解できない。だから、
拒否する事なく参戦してる。
無実を証明できるなら、それでいいしね」
『ふぅん。じゃあ質問を変えるわ。
何故貴方は、組織に居続けるの？』
バレンシア「私の居場所はここしかないもの。じゃないと人殺しの組織になんてはいっていないはず。それは貴方もおもってるんじゃないかしら？」
まるで用意されていたかのような答えだった。けれど、ハンドルを握る手が強められたのも事実。
バレンシア「なによ。
私が組織を裏切っているとでもお思い？」
『ごめんなさい。変な事聞いたわ。
今は作戦に集中しましょう』
バレンシア「聞いてきたのはそっちじゃん。まぁ、いいよ別に。
貴方の言った通りだもん。」
少し彼女の横顔を伺ってから
視線を外へと戻した。
現在
ねぇバレンシア。
私は、貴方の事嫌いじゃなかったのよ。
だから、生きて、彼と共に
RUMに助言してくれたのは、
彼女だと知っていた。
本人はそんな素振り、一度も見せなかった。それでも察していた。
本当は直接伝えたかった。
そうすることで、いつも余裕を装っているその表情が崩れるところをみれたんだろう。
でも、今は彼女と、子供達の笑顔の為にも
この巨大な鉄の車輪は、自分がとめなければならない。
『止まれぇ！！』
進路に回り込んだクレーン車は、
転がり続けるそれを受け止める。
だが、耐えきれずに運転席部分は巻き込まれ、潰された。
バレンシア「キュラソー？」
そして意識は永遠の闇へと落ちた。
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作者名：ななみん | 作成日時：2020年12月17日 15時
