公安エースの右腕 (ページ21)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:44,834 hit

21 ページ21

零side

思ったより小さく細かい基盤に、
手持ちのナイフでは不十分だと分かった。

顔に出ていたのか、それを見ていた赤井は、ライフルバッグを滑らせた。

赤井「それを使え。
中に工具が入っている。」

コナン「赤井さんは？」

奴ら仕掛けてくるとしたら、この観覧車。
そして恐らく、キュラソーの奪還は空から。

この少人数で効率良く動くには、役割分担が重要となってくる。

赤井「俺は元の場所へ戻り時間を稼ぐ。
こちらは任せたぞ」

そう言うと、ライフルを抱え走り出す。

その姿が見えなくなってから、
Aは壁に備え付けてあった通風口のフタを外すと、隠してあったらしいノートPCを取り出していた。

コナン「Aさん？それって...」

A「仕込んでおいて正解だったかな。距離があるから成功するか分からないけど、奴らのヘリの操作システムに侵入出来れば、少しは役に立てるかも」

そういえば特技はハッキングだったな。
Aなら、遠隔操作でヘリをジャックする事も出来てしまいそうだ。

『コナン君！？』

コナン「ノックリストを守らないと！」

そう言って走り出してしまった彼を見て、
思わず舌打ちが出た。

『ったく...どいつもこいつも！』

A「大丈夫よ。私はここに居るから」

そう言って隣に腰を下ろした彼女を
思わず振り返る。

『ここが一番危険だ。それなのに？』

A「え？零が壊してくれるんだよね？
なら、安全だよね」

こんな時でも笑っているA。
溜めていた息を吐く。

『本当、君には敵わないよ』

その期待には、絶対に応えなければ。
深呼吸をして、目の前の爆弾に集中した。