１９０ こうしたい ページ6
「そうだな。無理っていうか、気を遣ってるように見えるよ」
練習の後の片付けや、掃除や、配膳……一星は率先して動いていて、もはやマネージャーをしていると言っても過言ではないだろう。
俺は誤魔化すこともなく正直に答えて、スポドリ一気にを飲み干す。
一方で、一星はまるで考え込むように暫く黙っていたが、ふと、言葉を漏らした。
「……俺、やっぱり、自分が許せないのかもしれないです」
＿自分が許せない
その言葉に驚いて、俺は思わず一星の顔を見つめる。
一星は俯いて、再び口を開いた。
「皆は俺を許してくれたけど、俺がやったことは、間違いなく最低でした。鬼道さんも、豪炎寺さんだって、俺は被害を止める事が出来たかもしれない」
「それに……Aさんも……」
「一星」
俺はスクイズを持っていた手を置いて、思わず目を伏せる。
＿なんとなく、予想はついていた。
一星が、まだ俺たちチームに引け目を感じていること。
それに、源のことも……どんなに己に言い聞かせようと割り切れない部分をあるのだろう。
「Aさんは、ずっと俺を助けてくれた。だから、俺もAさんの為に何だってしたいのに……どうすれば分からないんです。」
一星は顔を上げ、両手を握る。
その表情は悔しさや悲しさ、そして迷い……一星の感情を、ありありと映し出していた。
何か、良い方法はないだろうか＿
……そう暫くの間思案してみたけれど、やはり思いつかなくて、俺は息をついた。
「……あー、ほんと、どうすれば良いんだろうな。実はさ、俺もまだ考えてるんだ」
「……風丸さんも？」
意外だ、そう言わんばかりに首を傾げる一星に、俺は思わず苦笑してしまう。
確かに、源が倒れて真実が明かされたあの時、あれだけ語った俺が"わからない"なんて無責任な言葉は、相応しくないのかもしれない。
……けれど、これが俺の素直な気持ちだった。
「でもさ、一星。"こうすれば良い"っていうのはなかなか難しいけど……"こうしたい"っていうのはどうだ？」
「こうしたい……ですか？」
ますますわからなさそうな一星。
俺は頷いて、言葉を続ける。
「俺も、どうするのが正解なのか分からない。でも今、凄く源と話したいんだ。源を知りたい。一星は、どうだ？」
「……俺は」
一星は再び空を仰ぎ、俺はその次の言葉を待つ。
"源と、早く会いたい"
この時、俺はそんな思いで胸がいっぱいだった。
そしてその日は＿
唐突に訪れる。
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花鈴萌(プロフ) - ayadesuさん» 長い間応援していただきありがとうございます！同い年なんですねめちゃくちゃ嬉しいです……！同世代でイナイレ好きな子が少ないので……これからも頑張りますね！ (3月16日 0時) (
レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
ayadesu - この小説ができた頃から応援してます！！私も作者さんと同い年なので勝手に親近感を感じながらも、こんな上手にお話が作れるなんてすごい！と思いながら読んでいます。これからも頑張ってください！ (3月11日 21時) (レス) @page9 id: 108ac644bd (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - ありすさん» 長い間応援して頂いてありがとうございます！大好きといっていただけて本当にありがたいです。これからも頑張っていきますので、完結までよろしくお願い致します！ (3月2日 11時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - いつのまにかめっちゃ進んでてびっくりしてます！！このお話ほんとに大好きなので続きが楽しみです！作者さんのペースで頑張ってください！ (2月27日 14時) (レス) @page3 id: d48b66107c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花鈴萌 | 作成日時：2024年2月18日 0時
