余命半年のマネージャーstage４〈イナズマイレブンオリオンの刻印〉 (ページ46)

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１８３　野坂の独白ページ46

風丸side

俺たちが、考えなくてはならない事。

それは、源の今後について、簡単に言えばマネージャーを続けてもらうのか、そうではないのかという事だった。

……言うまでもなく源の意志を優先するのは勿論ではあるが、問題はそれだけではない。

＿もし源がマネージャーを続けるとして、本当にそれで大丈夫なのか。

＿逆に源がマネージャーをやめると言った時、イナズマジャパンとして引き留めるべきなのか、それとも送り出すべきなのか。

監督は、この件に関して、自分やコーチが決断を下す事はない、と言った。

先程皆で話した通り、やはり俺たちとしては源は既にチームに不可欠な存在であり、今後のマネージャーを続けてほしい気持ちがほとんどではあるものの……

彼女の身体を考えればそう簡単には行かない。

そして更に、野坂の口から、衝撃の事実が明かされた。

「……Aの父親は、オリオン財団の幹部だ」

「……、っ！？」

＿再び、緊張した空気に包まれるミーティングルーム。

沈黙と混乱の中、俺はふと浮かんだ疑問を野坂に投げかけた。

「ちょっと待て……その事を、源も知っているのか？」

「……、」

刹那、野坂は苦しげに眉を顰める。

まさかと思えば、首を横に振って、野坂はさらに言葉を続けた。

「……いいえ、風丸さん。Aは、この事を知りません」

「じゃあ、どうして……野坂……？」

＿源でさえ知らない父親のことを、何故、野坂が知っているのか。
幼馴染といっても、出来すぎた話だ。

稲森が不安げに問いかけて、全員の視線が野坂に集まる。

野坂は一瞬迷うような表情を浮かべたが、意を決したように頷いて、口を開いた。

「……僕はアレスにいた時、アレスの闇を暴く為に、アレスの被害者のデータを調べていたんだ」

「アレスの被害者……？」

……なぜ、ここでアレスの天秤の話が出てくるのか。

全員が同じ疑問を抱いたのだろう、メンバーはそれぞれ顔を見合わせる。

そんな俺たちを横目に、野坂は再び言葉を続けた。

「アレスの被害者……つまり僕の頭にあった腫瘍のように、アレスプログラムの欠陥である副作用で身体を蝕まれた子どものことだ。そして僕はその隠蔽されたデータにアクセスした時に、Aの名前を見つけた」

「……っ、お前、それ、」

灰崎が大きく目を見開き、野坂に詰め寄る。

＿アレスの被害者の名簿に、源の名前。
それが意味する事は、ただ一つだ。