余命半年のマネージャーstage４〈イナズマイレブンオリオンの刻印〉 (ページ41)

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１７８　俺たちにできることページ41

……まず全体に伝えられたのは、倒れたもののAの命に別状は無く、じきに意識が戻るということ。

辺りが安堵の空気に包まれたのも束の間、ついに、ある"事実"はメンバー全員の知るところとなる。

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「余命、半年……！？」

……信じられない、そう言わんばかりに、稲森は呆然と声を上げた。

基山や西蔭、吹雪といった普段冷静な部類にあたるメンバーでさえ、顔が青ざめ、その場の誰もが言葉を失う。

余命半年＿

つまり、あと一年も生きることもできない、明日が知れない命。

しかしそれは、今まで健康に毎日を送り、スポーツに熱中してきたサッカー少年達には想像がつかないものだった。

更によりによってAとは、元気で明るい彼女がそんな事情を抱えているなんて、誰が想像できただろうか。

「そんな……」

「監督は、知っていたんですか……？」

監督はええ、と一言頷く。

そしてAが幼い頃から病気に臥していたこと、自分達はAの全てを知った上でマネージャーとしていたことを、告白した。

「……、」

そんな様子を、野坂は眉を顰めて見つめる。

＿ついに、Aの秘密を守ることはできなかったのだ。

どうしても考えてしまうことは、なぜ自分に打ち明けてくれなかったのか、そして、自分はもっと早く動けなかったのか。

気づけるような場面だってあったはずだった。
Aのことは誰よりも知っている、そう思っていた……

そんな後悔や、やりきれない思いに思考が支配されて、野坂は声を上げることができなかった。

「っ、じゃあっ、どうしてそんな状態でマネージャーなんてやりたがったたんだよ、源は！」

声を荒げたのは、灰崎。

そして監督よりも早くそれに答えたのは、今まで黙って皆の疑問を聞いていた風丸だった。

「サッカーが好きだから、じゃないか」

＿比較的落ちついたその様子は、周りの意識を自然に集める。

監督もコーチも、あとは任せると言わんばかりに口を閉ざした。

「サッカーが好きで……だから、何があっても俺たちの側で応援してくれていたんじゃないか」

風丸は長いまつ毛を伏せ、まるで自分に、そしてその先にいるであろうAに問うように……静かに呟く。

そして顔を上げ、今度は皆に向かって声を上げた。

「皆、色々思うところはあると思う。でも今、とりあえず俺たちが出来ることは……源が、安心して戻って来れるような、いつも通りの俺たちでいることじゃないのか。」