余命半年のマネージャーstage４〈イナズマイレブンオリオンの刻印〉 (ページ29)

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１６６　下ったのは、罰ページ29

＿本当は、自分でも気づいていたのかもしれない

『はぁっ、はぁっ、ぁあっ、』

「……A？どうかした？」

＿この身体が既に限界を迎えていたこと、そして

『っ、ぅっ、ぁあっ』

＿どんな気持ちも、どんな秘密も

「A！？……っ、どうしたの、A！」

「おいっ、源！？」

「源！？」

何もかもを、ずっと隠し続けることは出来ないことを＿

『っ、』

私はもう立っていられなくなって、バランスを崩しそのまま倒れ込む。

ぐらぐらと揺れ霞む視界に映るのは、静かな瞳を大きく揺らす悠馬の姿。

「A、A……！っ、明日人くんっ、救急車を、」

『ゆ、っ、はぁっ、』

……まって！

そう言いたいのに、目眩のような痛みのような衝撃が頭に広がって言葉が出ない。

わたしは、心の中で何度も呟いた。

……ごめんね、悠馬。

せっかくまた会えたのに、本当に、ずっとわたしを心配してくれてたのに。

私はあなたに平気で嘘をついて、たくさんたくさん、迷惑かけて、あなたに頼りきりで＿

「Aさんっ」

……光くんも、ごめん

せっかくやっと、自由になれたのに、元の光くんになって、これからって時に

その矢先に私がこんな姿を見せて、皆を巻き込んで、チームを乱して、本当に最悪だよね＿

「み、源……っ」

『……っ』

ふと視界の端にうつる姿、私は思わず目を見開く。

……風丸さん。

「源、どうして……っ、」

言葉を詰まらせる彼に、手を伸ばそうとするけど力が入らない。

……風丸さん。

わたし、本当は今日、あなたにこの事を話そうとしてました。

きっとあなたなら、わたしを分かってくれて、わたしと一緒に抱えてくれるって、期待して＿

でもきっとほんとは、あなたの優しさに甘えようとしてただけ。

「……とっ、……っ、」

やがてだんだん、皆の声が聞こえなくなる。

私はもう抗わず、ただ目を閉じた。

『……。』

……ああ。これはきっと罰だ

＿明るくて元気なマネージャーとして、本当の暗い自分と秘密を隠して、皆を騙して

＿信じるとか、本当の自分とか勇気とか、自分に言う資格のない事を言って人を励まして

＿実際は、誰かを助けることで自分の居場所が欲しかったのかもしれない。

……ほんと、最低で、でも甘えたくて

けれどきっともう、ここにはいられない。

『ごめ、んなさい……ごめんな、さい、』

意識が消えていく中＿

わたしは、ただこの言葉を繰り返した。