余命半年のマネージャーstage４〈イナズマイレブンオリオンの刻印〉 (ページ19)

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「そもそも一星くんは、誰を助けようとしているのかな？」

「……弟だろ？」

「そうでゴス……」

……唐突な、悠馬の問いかけ。

数秒の後、皆が困惑するような表情を浮かべる中で、ずっと後ろから様子を見ていた監督がようやく皆の前へ歩み出す。

その瞬間に視線がぶつかり、私は何となく監督の意思を読み取った。

「ここからは私が説明しましょう。……ああそれと、Aさんも、良いですネ？」

『はい。』

「監督、それにAさん……？」

……覚悟を決めろ。

これは、私が話さないといけない。

他でもない彼の、一星光くんの……衝撃的で、悲しい真実を。

きっと今のみんななら、受け入れてくれるはずだ。

「……私は鬼道くんと連絡を取り合い、そして野坂くんとAさんの協力のもと、怪しい怪しい一星くんの素性を調べ上げました。……そして、思わぬ形で手がかりを掴んだのは、Aサンだったのです」

ふと一星くんの隣に座り、監督はいつもの口調で語り出す。

そして監督からの合図を受け取った私は、みんなからの注目を浴びながら、監督の話を引き継ぐ形で口を開いた。

『……実は私、偏頭痛の薬を貰いにある病院に行ったことがあって……その時たまたま、一星くんの弟さんと会ったんです。』

「……！」

それまで話を黙って聞いていた一星くんは、驚いたようにこちらに振り向く。

私は頷いて、話を続けた。

『その日から、私は何度か光くんに会いに行きました。でも、光君はほとんど病室にいなくて、会えたのは数回。それも、いない日は1日待っても病室に来なかった』

ここまで話せば、チームの中にざわめきが広がる。

一星くんは堪えきれなくなったように、監督に向かって、声を上げた。

「っ、そんなはずはない……光は……光は今もあの病院に」

「まさか、弟がいるっていうのもウソなのか」

疑うように声を荒げる灰崎くん。

それに対し、悠馬は否、と口を開く。

「彼にかつて兄弟がいたことに間違いはないよ。」

「かつて？」

『……。』

"かつて"、そんな悠馬の意味深な言葉に、チームの中でますます疑念が広がっていく。

一星くんはその言葉が何かのトリガーになったのか、頭を抑え、苦しみ始めた。

「うっ、」

『一星くん！』

「あぁ、あ」

「一星！」

私は真っ先に一星くんに駆け寄り、続いて稲森君と剛陣さんも彼の震える身体を支える。

何度か名前を呼ぶと、一星くんは戸惑うようにゆっくりと顔を上げた。