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『ん…』
義「A?」
Aが目を開けた。
まだ頭がぼうっとしているのか、光がない。
お「A、大丈夫かい?」
『…』
Aはお館様と俺を交互に見た。
と、目が覚めたのだろうか、すぐにAは布団から飛び起きた。
『!お館様。皆様の前であんな醜態を晒してしまい、本当に申し訳ありませんでした!』
Aは開口一番、そう言って頭を下げた。
Aの顔は、真っ青だった。
お「A、大丈夫、大丈夫だから、そんなに急に動かないで。」
『っ!ですが、、』
義「A、落ち着け。」
『いや!私は、私は、、』
お「…A」
『っ!』
Aはお館様のお声で、少し平常心を取り戻した。
お「A、私はね、君の身体が心配なんだ。」
『…』
お「鬼舞辻の呪いを受けている者として、残りの時間をはっきりと自覚している者として、余命幾ばくも無いAの気持ちを少しはわかる気でいる。」
『…』
お「自分がしたいこと、誰かのためにしたいこと、残りの時間で自分が出来ること、、、今まで、沢山のことを考えてきただろう。」
『…はい。』
お「私も、よく考えるんだ。」
『…』
お「鬼殺隊の為、柱達や他の子供達の為に何が出来るのか、あまね達家族には私は何か返せているのか、、後を継ぐ輝利也に私は何を残せてやれるのか、そして、先に逝った子供達の無念を、私は晴らすことが出来るのか、」
『…』
お「でもね、Aが病になって、私よりも短い残り時間を急に突きつけられ、それでも懸命に、他人のために命を使うAを見て、私は胸が痛んだんだ。」
『…?』
お「もっと自分のために時間を使って欲しいと思った。…確かに、遺された者は、辛い。でも、遺す者も辛くない訳がない。
…だからね、私はAに、もっと甘えて欲しいんだ。我儘を言って欲しいんだ。私にも、他の子供達にも。」
『もう私は甘えてます。』
お「じゃあもっとだ、もっと甘えなさい。」
『…いえ、、』
お「私たちはね、Aが我儘を言ってくれるのは嬉しいんだ。だから、迷惑だとか、そんなこと、考えないで、何か些細なことでもいいから、知りたいことや
、やってみたいことはないかい?」
『知りたいこと、、、』
お「…何かあるのかな?」
『…ひとつ、あります。』
お「…なんだい?」
『私の、私の、鴉の名を、知りたいです。ずっと、支えてくれた子だから、私の、相棒だから、』
お館様は驚いていた。
俺は、、、哀しかった。
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タコ(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます笑何か面白い酔っぱらい方無いかな〜と考えたらふと思い浮かんで書いちゃいました笑笑シリアス多めなので、たまにクスッと笑える所があれば、と思って、、、笑これからも頑張っていきます! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - 不死川さん、酒めっちゃ飲んだはずやのにおはぎバク食いしてるのオモロイwwwこれからも頑張ってください! (2020年11月11日 0時) (レス) id: 458cbba993 (このIDを非表示/違反報告)
snow - タコさん» 更新待ってました!これからも応援してます!頑張ってください!! (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» こんなにも暖かいコメントありがとうございます!最近あまりコメント無くて寂しかったのですが、snow様のおかげでまた自信を持てました!本当にありがとうございます!ご期待に添えるようこれからも努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年11月8日 22時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タコ | 作成日時:2020年9月22日 10時