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しばらく、2人とも無言の状態が続いた。

義勇はずっと下を向いて黙ったままだが、私は不思議と、嫌な感じは全くしなかった。

その無音さえも、私には愛おしい時間だった。



義「…済まない。もう、大丈夫だ。頭の中も整理できたし、言いたかったことはさっき全て言った。」

『そう、』

義「A、俺からもひとつ、願いがある。」

『なに?』

義「…これからも、今までのように、俺の横に居てくれないだろうか。」

『…いいの?』

義「先程、俺はAに色々と言ってしまったが、俺にとってAが大切な存在であることに変わりはない。
俺はお前と一緒にいたい。」




義勇は私の目を真っ直ぐ見て、そう言った。

真っ直ぐで、透き通ってて、綺麗な目。

私の大好きな目だ。




『義勇…。』

義「どう、だろうか?」



ふふ、眉毛下げて、そんな不安そうな顔しないでよ。

答えなんて決まってるよ。




『もちろん。私だって、一緒にいたい。』

義「そうか、よかった。」








義勇はふわりと優しく笑った。

その顔を見て、一瞬、涙が出そうなくらい安心した。

まだ隣に居ていいと言われて、嬉しかった。






それから義勇は私を屋敷まで送ってくれた。

一緒にいられる時間を惜しむように、ゆっくりと。









義「そういえば、A、先程、2つ頼みがあると言っていなかったか?」

『うん。』

義「もうひとつはいいのか?」

『ただの我儘だけど…聞いてくれるの?』

義「あぁ。」



『ふふ、ありがとう。じゃあお言葉に甘えようかな。』

『明日の夕方、柱合会議があるの。知ってる?』


義「あぁ。」

『その後に、私が食事を準備して、みんなで食べようかな、って考えてるの。』

義「!Aの料理!!」

『うん。それで、その準備を手伝ってもらえたら嬉しいなぁ、と。買い出しとか、色々と。』

義「手伝う!」

『いいの!?』

義「Aの鮭大根のためならなんでもする。」

『ふふ、そんなに言われたら嬉しいな。』

義「Aの鮭大根は本当に最高だ。」

『ふふ、ありがとう。じゃあ、明日の朝、私の屋敷まで来れる?』

義「あぁ。」

『じゃあ、明日の朝、ここ集合で。』

義「承知した。」

『ありがとう。』




私たちは屋敷の前で別れた。

私は義勇の姿が見えなくなるまで、ずっと見送っていた。

少しでも、目に焼き付けておきたくて。

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タコ(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます笑何か面白い酔っぱらい方無いかな〜と考えたらふと思い浮かんで書いちゃいました笑笑シリアス多めなので、たまにクスッと笑える所があれば、と思って、、、笑これからも頑張っていきます! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - 不死川さん、酒めっちゃ飲んだはずやのにおはぎバク食いしてるのオモロイwwwこれからも頑張ってください! (2020年11月11日 0時) (レス) id: 458cbba993 (このIDを非表示/違反報告)
snow - タコさん» 更新待ってました!これからも応援してます!頑張ってください!! (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» こんなにも暖かいコメントありがとうございます!最近あまりコメント無くて寂しかったのですが、snow様のおかげでまた自信を持てました!本当にありがとうございます!ご期待に添えるようこれからも努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年11月8日 22時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タコ | 作成日時:2020年9月22日 10時

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