・ ページ23
師範、大丈夫かな。
師範が怒鳴った時、すごい威圧感で、何も出来なかった。
あんな師範、初めてで、怖かった。
だけど、それ以上に、申し訳なくて、何も言葉をかけられない自分が不甲斐なくて、去るしかなかった。
きっと、あの男の子に、師範のことを話しちゃいけなかった。
鬼の存在を知らせてはいけなかった。
二人の間に何があったのか、それはわからないけれど、家族の問題に、私が介入してはいけなかった。
ごめんなさい、ごめんなさい、師範。
・
・
・
「…、A、…A!」
『っ!』
悲「どうした。」
『悲鳴嶋さん…。』
悲「冨岡はまだ来ていないが、、、お前がそんなに呆けているのは珍しいな。何かあったのか?」
任務地に着いてもずっと、師範のことを考えていた。
悲鳴嶋さんが話しかけていたのに、全く気がつかなかった。
『いえ、少し考え事をしてただけです。気づかなくてすみませんでした。』
悲「…A、私は口は堅いほうだ。」
話してもいい、ということなのだろうか、
だとしても、師範のこと、ましてやその家族のことだ、いくら悲鳴嶋さんでも、話すことはできない。
『ありがとうございます。でも本当に大丈夫です。』
悲「…不死川だな。」
『え、』
悲「以前、不死川に避けられていた時と同じ顔をしている。」
見えてないのに、なんでわかるんだろう。
私、そんなにわかりやすいのかな。
悲「不死川にも、お館様にも、誰にも言わないから、話してみろ。」
『悲鳴嶋さん…』
私はその言葉に甘えていいのか迷ったが、私の死後、もし本当に師範の弟が鬼殺隊に入ってしまったら、
もし師範に突き放されたら。
私の責任なのに、私はその時、もういないから何もできない。
その男の子に申し訳なさすぎる。
その思いが勝り、ぽつりぽつりと、師範とその男の子について、悲鳴嶋さんに話した。
悲「南無…不死川に弟がいたとは。」
『そうなんです。』
悲「いいだろう。もし其奴が鬼殺隊に入ったら、私が面倒を見よう。不死川とお館様には、偶々見つけたので拾った、とでも言っておこう。」
『ありがとうございます。』
悲「あぁ。」
よかった。悲鳴嶋さんがこんなに優しい方で。
私はなんて人に恵まれたのだろう。
この1ヶ月、みんなのいろんな部分を見て、嬉しかった。
もっと知りたいと思ってしまった。
…もっと、一緒に居たかったな。
…もっと、生きたいな。
168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タコ(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます笑何か面白い酔っぱらい方無いかな〜と考えたらふと思い浮かんで書いちゃいました笑笑シリアス多めなので、たまにクスッと笑える所があれば、と思って、、、笑これからも頑張っていきます! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - 不死川さん、酒めっちゃ飲んだはずやのにおはぎバク食いしてるのオモロイwwwこれからも頑張ってください! (2020年11月11日 0時) (レス) id: 458cbba993 (このIDを非表示/違反報告)
snow - タコさん» 更新待ってました!これからも応援してます!頑張ってください!! (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» こんなにも暖かいコメントありがとうございます!最近あまりコメント無くて寂しかったのですが、snow様のおかげでまた自信を持てました!本当にありがとうございます!ご期待に添えるようこれからも努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年11月8日 22時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:タコ | 作成日時:2020年9月22日 10時