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実「冨岡も、他人を守ることに躊躇いがなく、鬼を狩ることよりも、人を助けることを優先できる、強い奴だ。」
『師範…』
実「…お前はいつものように、正面からぶち当たってみればいい。もし話を聞いて貰えなくても、ぶつかり続けろォ。お前がやろうとしてることは間違った事じゃねェ。だから、大丈夫だァ。」
『…はい。ありがとうございました。』
実「…あァ。」
正面からぶつかる、か。
よし、やってやる。何度でも。
師範に勇気づけられた私は、前向きな心を取り戻していた。
『師範。』
実「なんだァ。」
『師範は、義勇のこと、嫌いじゃないんですね。』
実「…確かに、嫌ってるわけじゃあねぇなァ。」
自分で聞いといてなんだけど、素直にそう言われて、驚いた。
『理由を伺っても?』
実「…言葉が通じねぇのは確かにイラつくが、冨岡が悪い奴じゃねぇのは知ってるしなァ。」
私が柱になるまでに、義勇と師範、お互いに信頼し合えるようになった出来事があったんだろうな。
『師範、私が柱になる前にも、義勇と関わりがあったんですね。』
実「いや、ねェよ。」
『え!?』
実「…お前が俺の継子になってから、お前、毎日のように冨岡の野郎の話してたじゃねぇか。」
『あぁ。そういえば』
義勇は元気か、とか、昔の話とか、色々話した気がする。
実「あんなに聞かされたらいやでも気になるだろ。聞いてて悪い奴じゃねェのもわかった。
それに、、、いや、なんもねェ。」
『え、なんですか?』
実「なんもねェよ。」
『??そうですか。』
『師範。』
実「あぁ?」
『私が死んだ後、もし、鬼舞辻との決戦があったら、その時は、義勇に背中を任せて戦ってください。』
『義勇はとっても強いです。水柱として、しっかり責務を果たせます。だから、義勇には、安心して背中を任せてください。』
『義勇なら、大丈夫です。』
実「…」
『私が死んだ後、義勇のこと、よろしくお願いします。』
実「…」
師範は、何も言わなかった。
でも、きっと大丈夫だろう。
私の自慢の師範は、誰よりも強いんだ。
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Aは、この時、気づくべきだったのかもしれない。
不死川の正面から話すべきだったのかもしれない。
そして、彼の手から流れる血に、
彼の苦虫を噛み潰したような顔に、気づけていたら。
そうすれば、これからの冨岡、不死川の関係が、また何か、変わっていたかもしれない。
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タコ(プロフ) - 三隣亡さん» ありがとうございます笑何か面白い酔っぱらい方無いかな〜と考えたらふと思い浮かんで書いちゃいました笑笑シリアス多めなので、たまにクスッと笑える所があれば、と思って、、、笑これからも頑張っていきます! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - 不死川さん、酒めっちゃ飲んだはずやのにおはぎバク食いしてるのオモロイwwwこれからも頑張ってください! (2020年11月11日 0時) (レス) id: 458cbba993 (このIDを非表示/違反報告)
snow - タコさん» 更新待ってました!これからも応援してます!頑張ってください!! (2020年11月10日 21時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
タコ(プロフ) - snowさん» こんなにも暖かいコメントありがとうございます!最近あまりコメント無くて寂しかったのですが、snow様のおかげでまた自信を持てました!本当にありがとうございます!ご期待に添えるようこれからも努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年11月8日 22時) (レス) id: 33d5abc94b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タコ | 作成日時:2020年9月22日 10時