消えた初恋、叶えたくて (ページ9)

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咲良side

『……よかった。』

どうやらあの2人に
私がここにいたことはバレてなかったみたい。

にしても、

青木くん…なんかかっこよかったな。

好きって感情がなんなのかよく分からないけれど、
好きな人に好きって言うことは
きっと想像するよりもずっと難しいことなんだと思う。

『青木くん、おちこんでないといいけど。』

『はぁ。
……お前の気持ちはなかったことにしなくてもいい、か。』

あの井田くんの言葉を聞いた時
すっごく真っ直ぐですごく井田くんらしいなって思った

【高一の夏】

学校にも少しずつ慣れて
そろそろ文化祭の準備が始まるみたいで
みんながソワソワし出す季節になった

「……咲良さん！
あの良かったらLINE交換して貰えませんか？」

最近はこんなことを言ってくれる人も増えてきて、
みんなそんなに友達を増やしたいのかな？
なんて疑問に思ったり…

でも特に断る理由もなければ、断り方もわからなくて

『あ、はい』

なんて答えていたら
いつの間にか友だちと表示される欄は
20人ほど人が増えていた
その中には同い年の人だけでなく先輩のものもあって

『……やっぱり断った方がよかったのかな？』

そんなある日

ﾋﾟﾝｺﾝ

涼［Aちゃん！明日の放課後空いてる？？］

これは確か、3年生の涼先輩だ
……なんて返そう、

［今のところ予定は無いです］

ﾋﾟﾝｺﾝ

涼［りょーかい！迎えに行くから教室で待っててね♪］

……あれ、この感じは会うことになっちゃったのかな

まぁ、一緒に帰るくらいならいいか、

今思うとこんな風に軽く考えすぎていたのが
良くなかったのかもしれない。