消えた初恋、叶えたくて (ページ12)

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それを見て安心したのか
足の力が抜けて地べたに座り込んでしまった。

「大丈夫か？」

大きな手が目の前に差し出されて

その手を掴み立ち上がる

涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げると
そこには同じクラスの井田くんが

『……井田くん』

井田「咲良さん、何もされてない？」

『うん、特には、、』

井田「さっきの人…彼氏、ではないよな、？」

『先輩……この前廊下で声掛けられて、
連絡先交換して、今日初めてまともに話した人。』

井田「…はぁ、
おいその状況危険だとは思わなかったのか？」

『……え？』

井田「よく知りもしない人を信用するから」

『…ごめん、なさい……。』

井田「あ、わりぃ。強く言いすぎた
でも、何も無くてほんとに良かったよ」

『…ありがとう、助けてくれて』

井田「いや、、俺がそうしたかったんだ」

井田「はい、これ」

そう言うと彼は携帯の画面を差し出した

『え？』

井田「困ったことあったら呼べよ
またいつでも、助けに来るから」

『……うん！』

この日から井田くんは私の中で他のみんなとは違う
特別になったのかもしれない。