無気力マネージャー【白布賢二郎】

9. ページ9

.




今日はバスをおりてからずっとけんじろーさんに引っ付いてた。




監督がいない時は抱っこしてくれたし。




私の手を引いて歩いてくれるけんじろーさんは、みんなが思ってるより怖い人じゃない。



梟谷に着くと、合宿所の部屋へ案内された。




学校を超えて仲良しな人が多いらしくて、部屋は誰と一緒でもいいんだって。


マネージャーも、みんなバラバラらしい。



私はどうしよう。



そう考えていたとき、金髪眼鏡とプリンゲーマーが歩いているのを見つけた。



自分の本能が言った。



“この人たちは同類(なかま)だ”





｢…あの…｣



月｢……なに？｣



後ろから声をかけて見ると、大きな眼鏡の方が振り向いた。



｢部屋一緒いいですか｣



弧｢…白鳥沢のマネ？｣



｢はい｣



プリンの方が少し驚いたようにこちらを向いた。



月｢…あのいつも担がれてるで有名な｣



眼鏡のジャージを見ると“烏野”と書かれていた。



同じ県なら見られた可能性もある。




｢…神崎Aです。｣




｢｢(·····こいつ、同類(なかま)か)｣｣




2人は私を見たあと、目を合わせて頷いた。




孤｢部屋決まってないんでしょ、俺らのとこ来なよ｣





プリンさんがそう言って歩き出した。

10.赤葦→←8. 白布

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す