【wrwrdBL】俺達の戦いは戦場だけやない【BL短編集】 (ページ7)

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【zmkn】意外な弱点ページ7

ひさびさに一緒に映画を見ないか？と、恋人のコネシマに誘われた。コネシマの誘いだから、もちろん快諾だ。金曜の仕事終わり、俺はコネシマの家にやってきた。

すでにDVDをセットし、やたらハイテンションなコネシマ。彼はウキウキした表情で俺の上に座っている。それを見て自然と顔が綻ぶ俺は、案外単純な人間なのかもしれない。

「今から何始まるん？」

コネシマに囁く。

「いや、あれやん、アレ！」

「あれって何なん」

「いやいや、だからあれやって、そのー、ほらさ？」

彼は甘えるように柔らかい金髪を俺の肩に擦りつけてきた。こういう時のコネシマは大体何かを隠しているのだ。だけど、せっかく一緒に映画を見るのだから、深く突っ込まないことにしてやろう。たぶん、スターウォーズとかだろう。

「お、始まった」

「っ！？」

人間の絶叫がきこえ、画面には長い黒髪の女が映し出される。不安になるようなBGM。ガクガク揺れながらゆっくりと近づいてくる女の服装は和服で、どう考えてもスターウォーズに出てきそうにない。

逃げようとするが、俺の膝の上にコネシマが乗っているせいで逃げられない。人間ってなんでこんなに重いんだよ。彼の顔に浮かんでいる笑みで、俺は彼に引っ掛けられたことに気がついた。

side コネシマ

映画から逃げようと必死なゾムを見て、コネシマは愉悦を感じていた。

(先週は抱き潰しやがって)

ゾムは普段は優しいのだが、一旦行為が始まると途端に野生的になり、その尽きない体力も相まって翌日必ず腰が痛くなる。先週は、行為自体は土曜日の夜だったはずなのに、月曜日まで影響するほどだったのだ。その恨みを晴らそうと、コネシマはこれを仕組んだのである。

逃げることを諦めたゾムは、今度は耳を塞ごうと両手を耳の方へ持っていこうとしたが、すかさず俺はネクタイで両腕を縛った。彼が恐怖を感じているせいか、俺を睨みつける顔も全く怖くない。いや、おっさんにこんな形容詞を使うのは何だが、むしろ可愛い。

「しっま、しっま......」

いつもと違う弱々しい声で呼びかけてくる。ゾムが俺の身体をぬいぐるみのようにぎゅーっと抱きしめていて、とても幸せな気分だ。怖くてたまらないらしいゾムには申し訳ないが。俺はゾムの温かい体温を感じながら映画を見続けた。