Space of Princess 4 (ページ30)

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Space of Princess ページ30

フォースとひとつになったベンはある場所に向かっていた。
そこはいつか見た夢の中と同じ光景が拡がっていた。

辺り一面に咲き誇る青い花畑。そこに佇む白き宮殿。

黒いジェダイローブを纏ったベンは中に入っていく。

夢と同じように開けた中庭に出た。

噴水の水の音だけが心地よく響き、縁に青い花びらが所々に落ちている。

ひとつ手に取るとベンはフッと微笑んだ。

更に奥に進んでいくと、大樹がそびえ立っていた。

そこから盛れる木漏れ日に照らされながら近付いていくと根元に蓋が無い棺に横たわる純白のワンピースドレスを纏った愛しい人の姿。

ゆっくりと傍らに近付くといつも見る愛くるしい寝顔にベンは思わず目を細めた。

そんな彼女にベンはゆっくりと屈み優しくキスを落とす。

そっと離すと彼女の瞼がゆっくりと開かれていく。

そこら中に咲いている花より蒼く美しい瞳が目の前のベンを見つめる。

アイリス｢ベン？｣

ベン｢迎えに来たぞ、アイリス。｣

優しく微笑むベンにアイリスは一粒だけ涙を流し、ベンに手を伸ばした。

ベンもそれを優しく抱き上げる。

アイリス｢来てくださったのですね？ベン。｣

ベン｢お前がここで待ってると言ったんじゃないか。｣

アイリス｢そうでしたね。でも、嬉しくて。｣

ベン｢もう離してやれないぞ？｣

アイリス｢えぇ、もう離れません。｣

ベン｢愛しているよ、アイリス。｣

アイリス｢愛しています、ベン。｣

アイリスとベンは互いに額を付けて再びキスをする。

ベン｢やっと捕まえた。｣

ベンはアイリスを抱き抱えながら歩き出す。そして、

ふたりは宮殿の中へと消えていった。

永い永い物語りはやがて夜明けと共に終わりを告げる

これは闇の中で出会い、愛し合った。黒い騎士と白き姫の物語り。

おわり