声 ページ20
気がつくと、機械的な真っ白い天井が見えた
次に感じたのは喉の痛みと胸の痛み。そしてあることに気がつく。
アイリス「あ、うっ、あぁ」
声が、出ない。
口元に付けられている酸素マスクに手を掛ける。
周りには医療機器しかなく、部屋にはマスクの呼吸音だけ響いていた。
スーハースーハー
アイリス(こえが、でない、、、なんで?!)
体の痛みと出ない声、様々なことに動揺を隠せないアイリス。
すると不意に医療室のドアが開いた。ドアを開いた人影が近づく。
レン「アイリス、気が付いたか。」
仕事の途中だったのか、カイロ・レンはマスクをしたままだった。マスクの機械のようなこもった音の中に愛しい彼の声が混じっている。そんなカイロ・レンにアイリスは安心した。
いつもだったら、「心配かけて申し訳ありません」などまた笑って声をかけることができるのに、、今は目線と笑顔を作ることしかできない。辛うじて手は動くがそれさえも重くいつもの様に触れることが出来ない。そんなアイリスを悟ったのか、カイロ・レンはアイリスの頬に優しく触れた。
レン「医師には過労だと聞いた。体が弱い上に宇宙空間での長期滞在。恐らくそれが原因だと。」
アイリス「……」
レン「声が出ないか、NR2!」
カイロ・レンが呼ぶとKと共にNR2が歩いてきた。
NR2「お嬢様?Kに新しい装備を付けさせました。こちらのタブレットに入力していただければ会話ができますよ。」
Kはアイリスの手元に飛んでいきタブレットを開いた。アイリスはスラスラっと文字を入力した。
アイリス『ありがとう、NR2、K。レンと二人で話したいからNは席を外してもらえる?』
NR2「かしこまりました。」
タブレットの言葉を見てNR2は部屋をあとにした。
レン「……」
アイリスはカイロ・レンの顔(マスク)を見つめた。
アイリス『レン、助けていただきありがとうございます。』
レン「……」
アイリス『怒ってます?』
レン「当たり前だ。一体どう無茶したら過労で倒れて声まで出なくなるんだ。」
アイリス『無茶?いえ、ただいつも通りに過ごしていたんですよ?自分でもさっぱり。』
レン「お前は人の心配は人一倍敏感なのに、自分のことになると疎い。それがお前の良さであり難点とも言える、、、血まみれで倒れているお前を見てどんな思いだったか。」
アイリスはマスクの上からでも彼の怒り、焦り、悲しみが溢れ出ていることに気がついた。
つづく
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nanasuke(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2018年1月4日 19時) (レス) id: 45d5014808 (このIDを非表示/違反報告)
nanasuke(プロフ) - 死神さん» コメントありがとうございます!なんだかんだで30話ほどになりました!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2018年1月4日 19時) (レス) id: 45d5014808 (このIDを非表示/違反報告)
nanasuke(プロフ) - 通りすがりさん» カイロ・レンが主にですね!ポー・ダメロンも活躍できるようこれからも頑張ります!コメントありがとうございます (2018年1月4日 19時) (レス) id: 45d5014808 (このIDを非表示/違反報告)
nanasuke(プロフ) - 読者Aさん» 楽しみにしていただいて恐縮です!これからも頑張ります!コメントありがとうございます (2018年1月4日 19時) (レス) id: 45d5014808 (このIDを非表示/違反報告)
nanasuke(プロフ) - スカイさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2018年1月4日 19時) (レス) id: 45d5014808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanasuke | 作成日時:2017年12月26日 3時