ある日突然信頼度が見えるようになった

めげないしょげない諦めない何があっても泣いちゃダメ22 ページ22

〜あらすじ〜
加茂さんが闇堕ちしかけた！狗巻先輩登場！どうなる私!


「いっ､ぬまき､先輩…」

お久しぶりです狗巻先輩｡ナイスタイミングってやつですよ｡おいてけぼりにしてすみませんねぇ…えっ？今はそんな事どうでもいいって？狗巻先輩〜目は口ほどにってやつですね｡

「どうしましたんですん？」

私めちゃめちゃ日本語不自由やんけ
だが私もそろそろ余裕ぶっこいていられなさそうだ｡狗巻先輩から出る負のオーラがやばい事になってる｡

『…』

まさに無言の圧｡これがただの圧ならばまだ良い｡しかし既に狗巻先輩は私が先輩がどれほど私が好きかが見えると知っている｡ついでにアレも｡何とは言わない｡察してくれ｡

つまりこの圧に込められた思いは

【お前俺がどれほどお前の事好きなのかわかっててやってんのかゴルァいい度胸だゴルァ見せつけてくれんな？ぶち殺すぞ】

という感じだろう｡

思わず1歩後ずさった｡それほどまでに今の狗巻先輩は危険だったのだ｡

だがここで誤算が発生した｡

加茂さんが私の足首を掴んだまま離してなかったのである｡

「うごぁッ！？」

私の体は傾き､加茂さんの背中めがけてずっこけた｡

『う"っ』

「すみません！加茂さん！大丈夫ですか？」

加茂さんから鈍い声がして私は咄嗟に謝った｡素晴らしい人格である｡

『良いから､手を､どけてくれ､ないか』

狗巻先輩の呪言の効果が切れた加茂さんはそう言った｡
私は手を見た｡正確には手をついている場所を見た｡

加茂さんの尻だった｡

「ごっめんなさい」

私は体をゴロンと転がして加茂さんの背中から降りた｡その時

『動くな』

と､狗巻先輩が言った｡

すごい｡ガチで体動かん｡力を抜くことも力を入れることもできん｡すごい｡やべー

近づいて来る足音｡狗巻先輩の気配が少しづつ動く｡

そして

私は

そっと

床から離れた｡

腹に腕が回ってきて､私は抱き上げられた｡

呪言が無ければ発狂して暴れ回ってた｡
狗巻先輩ー？やめてくださいー？狗巻先輩ー？
未だ負のオーラバチバチの狗巻先輩の不機嫌さがひしひしと伝わってきて真面目に生命の危機を感じる｡

狗巻先輩は私を小脇に挟んだ状態から横抱き､つまりはお姫様抱っこ､とやらに持ち替えて､くるりと踵を返した｡

へるぷみーへるぷみー

と､真依さんに心の電波を飛ばすも虚しく私は狗巻先輩によって加茂さん部屋から連れ出された｡

私は貞操の危機を感じた｡こんな事なら素直に加茂さん部屋に泊まれば良かった｡

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