足癖が悪い少女の行先は梵天でした

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黒兎【ラパンノワールフ】とはその名の通り黒兎のことでフランス語に訳したものだ。
その名前は反社の世界では有名らしい。

私は店長と関わるまで全然知らなかったけど…

表では【ラパナルジェンテ】通称銀兎という名前らしいが私には馴染みがない。

アパレル業界でも人気が高いってのはお客さんから情報をもらっていた程度だ。
料理店も予約を取るのも一苦労だとお客さんが言ってたっけ。

黒兎の対象は白兎だと思うんだけど、何か意味があるのだろう。あまり深くは考えない。
名前がオシャレでかっこいいなぁとは思う。

しかし、そんな有名なところのボスがまさか店長とは誰も思わないだろう。

藍子「BARで店長に助けられてここを勧められたんです。店長がいるから少しは融通も効くだろうってことで。もちろん、反社であることは内密にって条件でしたけどね」

鶴蝶「それでこの人が反社だって知ってたのか」

藍子「そりゃ、目の前でBARの上司が撃たれたら察しますよね。あ、反社だって」

まぁ、ただでさえお店の空気自体が反社感はあったけど。

お店のお客さんも見るからにそんな感じの人ばかりだったし、話の内容もヤバそうな感じだったもんな。
…そう考えたら、私よく生きてるよな。運がいいんだろうな。

「新人を雇ったとは聞いてたけど、まさか藍子ちゃんみたいな子を雇ってるとは思わなかったのよ。しかも手まで出してるって聞いた時は誤射しそうになったわよねぇ」

それはやめたげてくれ。誤射ダメ、絶対。
誤射以上に危ないことある？
無くてもいい被害まで出したら大変だよ。後始末が。

竜胆「お前、よく生きてるな」

藍子「それ、自分でも思います」

奇跡って言っても過言じゃないよね。
それくらいヤバかった。誤射されなくて良かったよね。

藍子「っと、そろそろ戻りますね」

ちょっと話し過ぎたかな。
けどこれで店長とこの人たちが仲良く和解してくれたら私も楽になるよね、多分。

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