足癖が悪い少女の行先は梵天でした

20 ページ23

どこからかするいい匂いで目が覚めると鶴蝶さんが立っていた

藍子「はよ、ござます…」

鶴蝶「おはよう。よく寝れたか？」

藍子「結構寝た気がします…何時ですか？」

鶴蝶「だいたい10時だな」

10時、か…

藍子「っ…仕事！」

鶴蝶「大丈夫だ。他のヤツが上手くやってくれてる」

そんなことを昨日(？)も言われた気がする

藍子「あの、人員補充してくれたってココさんが…ありがとうございます」

鶴蝶「いや、人手はあるからな。いつでも言ってくれ」

多分、今後私に人手が足りなくなることはないと思う。うん、そう思いたい。

藍子「…補充した人って、やっぱり反社ですか？」

鶴蝶「まぁ…そんなところだ」

大丈夫じゃないやつだ。
荒れないかな…大丈夫かな…

藍子「人とか殺ってる人ですか？」

鶴蝶「いや、後処理だけで殺ってはないな」

…それでも怖いな

鶴蝶「ほら、飯食え。蘭達と出かけるんだろ？」

そんなこと言われたな。
お金降ろさないとな…

藍子「いや、待て？お金ないんで何も買えませんよ？借金返済しないといけないんで」

あと、竜胆さんの車を汚したからクリーニング代ね。私の貯金でも全然足りないんだし、お金は使わないようにしないと。

あ、味噌汁美味い
すごくホッとする…

鶴蝶「大丈夫だろ。ココが経費で落とすって言ってたから」

は？経費で落とす？何を？
もしかして私の日用品？

藍子「そんな経費をポンポン無駄遣いしちゃいけません！」

鶴蝶「いや、お前の家を燃やして生活用品無くしたのは俺らの方だから。何も考えなくていいんだぞ」

いやいや、こんなぽっと出の人間なんかにお金をホイホイ出しちゃ駄目だって…
危ないぞ？
悪用されたらどうすんのさ

藍子「ご馳走様でした…美味しかったです」

あ、思い出した

藍子「あの、このスウェットの持ち主って誰ですか？」

鶴蝶「多分竜胆だな。どうした？」

まさかの竜胆さん…

藍子「涙と汗で袖を濡らしたのでクリーニング代を…」

いや、竜胆さんに迷惑かけすぎでしょ。
車汚して、服も借りてさ？
そう言えば、三途さんのスーツも汚したよな
三途さんにもクリーニング代払わないと…

藍子「ますます買い物どころじゃ無くなったな…」

鶴蝶「…これ、蘭とココから預かってる」

…いや、高そうなブランドの紙袋をそんな簡単に受け取れるわけないじゃん
私、庶民ぞ？

21→←19

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す