10 ページ13
灰谷蘭side
竜胆「なぁ、兄ちゃん」
蘭「なんだ?」
風呂場の入口であの少女、建宮藍子の呟きを聞いていた
これは俺や竜胆だけではなく他の幹部にも聞こえている
竜胆「…アイツ、どうなるんだろうな」
蘭「…マイキーと藍子次第じゃね?けど、俺は結構気に入ってたけどな」
あそこまで肝が据わってる女は見たことがない。
それに、店で見せたあの運動神経の良さと判断力。
正直使えると思った
父親が目の前で殺されたってのに最期の言葉が"美味しいものをお腹いっぱい食べたかった"
料理に毒が盛られた時も冷静だった
シェフを蹴散らしたときも何食わぬ顔で俺らの心配してたな…
普通なら殺されることに怯えてもいいはずなのに『コンビニ寄ってもらっていいですか?』とか普通に言うし…
俺らが口に運ぶ寿司も警戒なく普通に食ってたし…
蘭「いや、警戒心無さすぎだと思わねぇ?」
竜胆「それはみんな思ってるだろ」
だってアイツは俺らが反社であることは知ってるはずだろ?
なのにあれだけ警戒心なく俺らについてきて…
今はアジトで風呂に入って盗聴されてる
どんな生活してたんだ…?
藍子『ねぇアヒルさんや、私が幸せを願うのっておかしいと思う?普通じゃなくてもいい。いじめられてもいいからさ、美味しいご飯食べて温かい布団で寝る。
それが叶わないのはなんでだと思う?』
そう呟かれた言葉は今までの声色とはまるで違った。まるで悲しさを押し殺すような、そんな風に聞こえた。
本当に疑問に思ってるんだろうな。
藍子『今はすっごく幸せ!野宿しなくていいし、ここの人達は優しいし…
家が燃えてた時は焦ったけど、それでも、今日は楽しかったなぁ。クソ野郎に言いたいことも初めて言えてスッキリしたし、高級料理店で毒入ってた時はびっくりしたけど何とかなったし、お寿司は美味しかったし、今はお湯が贅沢に使えてる…
今殺されるなら文句ない!いっぱい私の願い叶えてもらったし…!けど、恩返しできないのは心残りだなぁ』
その藍子の言葉を聞いて『生きて欲しい』と思った
蘭「生かしてやりてぇな…」
無意識に出た言葉は静寂に消えていった
593人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々子(プロフ) - 月宮莉夢さん» ありがとうございます!ありがたきお言葉…!嬉しいです! (2022年6月5日 23時) (レス) id: 985800c53e (このIDを非表示/違反報告)
月宮莉夢 - うん、神 (2022年6月5日 0時) (レス) @page17 id: b5f61b261d (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ATR214YSさん» こちらこそありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです!頑張ります! (2021年12月13日 0時) (レス) id: 985800c53e (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - このお話好きすぎますっありがとうございます!更新頑張ってください。お疲れ様です! (2021年12月11日 22時) (レス) @page35 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます。分かりました。また後日貼らせていただきますね! (2021年12月7日 21時) (レス) id: 985800c53e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月1日 23時