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ずっと我慢してきたものが一気に溢れるかのようにたくさんの涙が出てきた
泣いていいなんて言われたことなかった
『疫病神じゃない』って否定してくれたのも初めてだった
それが嬉しかった
奏良「ずっと、胸が痛くて…っ傷ついてないフリしてた、けど、本当は苦しくて、辛くて助けてって…心のどこかで、ずっと誰かに助けを求めてた
誰かといるのが怖くて、ほんとに"疫病神"なんじゃないかって…
だったら、お父さんにもお母さんにも、申し訳ないなぁ…って」
御幸「頑張ったよ。奏良は疫病神じゃないし、人間なんだから傷ついて当たり前だし、傷つかない人なんてほとんどいない。
それが分からずにお前のことを馬鹿にしてたヤツは本当の馬鹿だ
それこそ、今まで弱味を見せずにずっと我慢して、苦しいって言わなかった奏良の方がよっぽど強いよ。偉かったな」
奏良「っ…ん…あり、がと、一也」
一也の優しさに甘えてる気がして申し訳ないけど、この涙が止まるまで待ってもらおう
奏良「ごめん、ごめん、一也…もう少しだけ、待ってくれる…?っ…一也みたいに、言ってくれた人、今までいなかったから嬉しくて…」
御幸「うん、いいよ。いくらでも待ってやるし、いつでもきてくれていいからな」
一也に抱きしめられているせいか人肌の温かさが心地いい
御幸「そうだ、奏良」
奏良「っ…なに?」
御幸「俺の前で目、隠さなくていい」
目って、左目のこと…?
御幸「せっかく綺麗な目なのにもったいないだろ。2人のときだけでいい。藍子や倉持は知らねぇんだろ?」
奏良「……」
御幸「なんだよ、その目」
なんでそんなに優しいの?
なんで気持ち悪がらないの?
いろいろ聞きたいことはある
でも、驚きの方が勝って言葉にならない
奏良「綺麗な目、言われたことない…」
ヤバいな、また泣きそう
奏良「っ…はぁ、駄目だ。また涙出てくる…」
御幸「…ぶっははは!泣け泣け。全部出しちまえ!辛かった分、思う存分泣けばいいよ」
そういう嬉しいこと言うから余計に甘えてしまう
奏良「せっかく…止まってた、のに…」
御幸「はっはっはっ!でも、本当だぞ。全然気持ち悪くないし、綺麗な目だよ」
この人は、私を泣かせる天才かな
奏良「いろんな子が一也に惚れるの、なんか分かる気がする…優しいもんね」
御幸「それ、褒めてんのか?」
奏良「そりゃもちろん」
御幸(そう思ってるならいっその事惚れてくれたらいいのに…)
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菜々子(プロフ) - 宇治抹茶さん» ありがとうございます。嬉しいです。これからも頑張ります。 (2019年7月8日 16時) (レス) id: ddff79cd95 (このIDを非表示/違反報告)
宇治抹茶 - 面白かったです。続編早く読みたいです頑張ってください (2019年7月8日 7時) (レス) id: 758e7ee19b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年7月7日 20時