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昨日の夜中、2人の会話を聞いた。
大ちゃんの秘密、山田も気づいてたんだね。
戻ってきたら助けて山田にありがとうと言お、そう決めて朝を迎えた。
なのに。朝を迎えても山田は上がってこなかった。
その理由は明確だ。
ym｢おはよ！｣
in｢はよ。｣
何も無かったかのように、いつも通り爽やかだ。
昨日大ちゃんのこと抱き締めたくせに…。
やばい、先を越されている。
すごい面倒くさかったけど立てかけてあった箒を持って庭の掃除を始める。
大ちゃんが褒めてくれるから。
昨日は散々雨が降ったせいか雨上がりの独特な香りが漂っている。
tk｢ちょっとそこのお兄さん。｣
in｢……なんですか｣
いかにも高級そうなスーツを着崩した男。
高そうな腕時計にネックレスまで…
チャラいな。TPOに合って無さすぎる。
ヤンキー??
tk｢う……昨日悪酔いしてさ。道に迷ったみたい。
気づいたらこんな森に…ははっ｣
お兄さんベロベロじゃん…
in｢で、帰りたいの？｣
tk｢あぁ、そうなんだよ…抜け道どこ？｣
tk｢あーはいはい、なるほどね。｣
国道までの道を教えてあげた。
しばらく住んでるから、道も分かってきた。
in｢というかよくここまで来れたよね。
これ以上深く行ってたら終わってたよ。｣
tk｢君さぁ。｣
in｢…何すか。｣
tk｢俺の店来ない？｣
この人、キャバクラのオーナーかそれ関係だな。
俺はこういうの本当に慣れてないんだ、パス。
in｢勧誘か。｣
tk｢やだな違うよ！｣
in｢そ。行かないよ。｣
ar｢もしかして、せんぱい！！
うわぁ、会えて嬉しいっす!!｣
大ちゃんの声が聞こえた。
tk｢いた。｣
なんだコイツ、大ちゃんを探してたのか？
どういう関係？
ar｢立ち話もなんですから、入ってください!!｣
tk｢ごめん、邪魔になるからまた来る。｣
高木、という人は帰ってしまった。
高木……？
in｢あのお兄さん、どっかで見た気がするな。｣
どこだったっけ。全然覚えてないや。
ar｢いのちゃん、お掃除ありがとね！｣
ごめん、大ちゃん。
嬉しそうに見上げてくるけど、モヤモヤしてそれどころじゃない。
in｢あの人さー｣
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作者名：まる | 作成日時：2021年6月14日 18時
