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やっぱりここで泣いていた。
ar｢最近おかしい…俺｣
近寄ると目を充血させながら必死に溢れんばかりの涙を止めようとしていた。
どうして。だってさっきまで素っ気なかった。
ar｢無意識に2人が死ぬのかなって…
俺の周りはいつも死ぬ人ばっかだから。｣
虚ろな目が小さな光の中で映る。
暗闇は嫌いだ。
人の感情が分からない。
ar｢憎い。｣
なんだか今日は言葉が上手く出てこなくて、
寄り添うことしか出来なかった。
ym｢そっか…｣
昔もそんなことしか言えなかった。
もう二度と大切な人は失いたくないのに、俺はまた同じことを繰り返す。
助け方が分からないんだ。
ar｢もう少し起きてる。｣
ym｢寝なきゃだめだよ。｣
ar｢俺にとっては今考えなきゃいけないことで…｣
その目はまるで盲目になったみたいに、ぼやぼやと光の中を彷徨う。
もしかして、このまま懺悔するつもりじゃないだろうか。
俺は大ちゃんが夜に何をしているのか知っている。
ym｢そうやっていつも…自分のこと傷つけてる…｣
ar｢…なんのこと。｣
そっと服に隠れた腕をまくる。
ym｢ごめんね。心配なんだよ。｣
長袖に隠れていた無数の傷跡。カッターなのか、よく分からないけれど、そういうことしているんだ。
ar｢気づいてたんだ。｣
ym｢ごめん。｣
怒るわけでも泣くわけでもなく、ただ虚ろに呟いた。
ar｢癖。落ち着くんだよ。｣
大ちゃんがボロボロになっている……
壊れてしまいそう。
ym｢苦しいよね…
…俺は大ちゃんを助けたいよ。
どうすればいいの。｣
儚い姿を抱き締める。
ar｢うん……｣
寝言のように呟く声が聞こえた。
腕の中でぐっすりと眠っていた。
知ってる。大ちゃんは3日も寝ていなかった。
追い詰めたのはきっと何も知らない大人たちだ。
ym｢ごめん…
ごめんね大ちゃん……｣
苦しみに気づいてやれなくてごめん。
暗闇の中、一生このままでいたいのに。
暗闇は嫌いだけど、毎日やってくる朝はもっと嫌い。
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作者名：まる | 作成日時：2021年6月14日 18時
