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俺はあんまり気分が乗らなかったけど、
伊野尾に無理矢理付き合わされ、結果3時間程バーで駄弁った。
いのちゃんが話すことは決まっている。
女と金の話。
あの子はやりがいがあったけれど、性格がダメだったとか、
お金には困っていないけど日本には撮りがいのある面白いものがない。
肝心の幻の店については一切触れてこないのだ。
山「でー、そろそろ教えてくれてもいいでしょ?」
伊「あー、それね
忘れてたーあははっ」
山「はあ?」
やっぱりこいつとは合わない。
山「で。どこにあるんだよ、その店」
伊「急にそれ聞いちゃう?笑、
場所は都内じゃないなー、
色んな説があるけど、俺の勘によると富士の樹海とかかな、」
山「え、」
伊「あー、でもなにせ、お店は色んな場所に動いちゃうからなー。
まぁ俺は来週あたり一応言ってみるけどー」
山「俺も行く」
伊「連れてってもいいけど…死んだらどうすんの、笑」
山「でも。富士の樹海には行くから。」
死ぬ…
その表現にあいつの顔が浮かんだ。
伊「命日だね。明日だっけ」
山「うん。」
毎回その話をされるとなんだか耐えられなくなる。
俺はその場を去った。
まるでその言葉を振り払う様に。
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作者名:まる | 作成日時:2019年8月24日 12時