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?「え…名前ですか?笑」
伊「山田」
山「名前、知りたいんです。」
いのちゃんが俺に顔を近づける。
伊「怪しまれてこれ以上取材続けられなくなったらどうすんの!自分の首絞めてんのと一緒だよ!?」
小声で宥めるいのちゃんを無視して、俺は店主に尋ねた。
?「有岡大貴…です。僕の名前は有岡大貴です。」
俺といのちゃんは凍りついた。
どうして。どうして死んだはずの大ちゃんがここにいるんだろう。
山「やっぱりだ。」
有「どうかされましたか?」
伊「なんでもないです。席に着いて待ってますね……山田行こう」
席に着いた途端。俺らは唖然とした。
伊「3年前に亡くなったはずなのに。生まれ変わりなんてあるんだね。」
山「同姓同名なんてな。あんなに似てるなんて、
有り得ない。絶対大ちゃんだよ。」
伊「大ちゃんか。」
ちょうどケーキを運んできた有岡さんの肩を掴んで必死に尋ねた。
生まれ変わりなんかじゃない。
本当は大ちゃんなんて、死んでないよね。
そう信じたくて。
大ちゃんなんで生きてたの、
どうしてこんな所にいるの?
すごい心配したんだよ?
山「なんで忘れたフリすんだよ。」
有「お客様?」
山「ねぇ大ちゃんはなんで死んだふりなんてしたの。」
有「は?」
伊「山田。もうやめなさい。」
いのちゃんが肩を叩く。有岡さんから離れた途端、ふと現実に戻った。
山「俺…」
有「人違してるんじゃないですか?俺、あなた達と会ったの初めてですよ。」
伊「ですよね、本当すいません。怖がらせてしまって。食べたらすぐ帰りますんで。」
有「はぁ、」
山「…」
ケーキとコーヒーを置くなり有岡さんは去っていった。
ふらふらしながら席につく。
頭を抱えた。
気持ち悪い。
大きな誤ちを犯してしまったことに気づいても、もう遅かった。
会えたのが運命だと思ったのに。
大ちゃんは、もういないのかな…
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作者名:まる | 作成日時:2019年8月24日 12時